【三浦コラム】短期でのシンガポール就労ビザ免除について

 海外で就労するには就労ビザ(シンガポールにおいては、Employment Pass, Work Permitなど)が必須です。ビザなしでの就労は罰則の対象となる事は、皆さんも承知の事実でしょう。
 では短期出張などは?という素朴な疑問が生じるかも知れません。
 今回はMOM(人材省)の情報から、就労ビザ免除について述べてみたいと思います。

 シンガポールにおいては、最大60日である短期の場合、Work Pass(上記Employment Pass, Work Permitなど)を必要とせず、ICA(Immigration & Checkpoints Authority)よりShort Time Visit Pass取得にて、その活動が認められているものがあります。
 列記しますと、
1、芸能(歌やダンス)
2、報道業務
3、スポーツ(選手、サポートスタッフ)
4、ロケ【映画など】、ファッションショー
5、セミナーや会議参加
6、専門知識技能の提供(新しい工場や設備の監査や試運転を含む特殊技能など)
7、展示会参加
8、仲裁、調停などの活動
9、ジャンケット業務(カジノへ顧客を紹介し、その遊戯、宿泊、その他の娯楽をサポート。その顧客がプレーした金額の一部をカジノからキックバックしてもらうというビジネス)
10、ツアー帯同
 ただし、上記のこれらにおいては、MOMに報告義務があります。

m-oct-14 しかしながら、
・会社やビジネスパートナーとのミーティング参加
・研修旅行、トレーニングコース、ワークショップ、セミナーなどの参加
・訪問者としての展示会への参加
 これらはMOMへの報告義務はありません。
 ただし、トレーニングコースやワークショップのトレーナーやスピーカーには、MOMのWork Pass除外報告義務、もしくはMiscellaneous Work Passの申請が必要です。

 特に報告義務がある各項目については、各項目に注意事項があります。
1、芸能(歌やダンス)
歌やダンスなどのパフォーマンスについては、公的な場所(と認められた処)である事。例えば、それ以外と見なされるバー、ディスコ、ナイトクラブ、ホテル、レストランなどでは6ヶ月のWork Permitの取得が必要。
2、報道業務
報道業務においては、公的なサポートが必要。サポートがない場合には、Miscellaneous Work Passの申請をしなくてはなりません。
3、スポーツ(選手、サポートスタッフ)
政府や公的機関によるサポートによる、または公的目的により契約されたスポーツ競技、イベントやトレーニングに関わる人(選手、コーチ、審判、サポートスタッフ)である事が。
4、ロケ【映画など】、ファッションショー
上記1 、芸能(歌やダンス)同様。
5、セミナーや会議参加
政治的宗教的目的に関係しない事。
6、専門知識技能の提供(新しい工場や設備の監査や試運転を含む特殊技能など)
その技能がシンガポール国内において提供できないもの。
7、展示会参加(出店サイド)
設営や解体には関与できません。またTrade Fair Permitが求められる場合には、対象外。
8、仲裁、調停などの活動
宗教、人種、共同体、政治に関係しない事。
9、ジャンケット業務(カジノへ顧客を紹介し、その遊戯、宿泊、その他の娯楽をサポート。その顧客がプレーした金額の一部をカジノからキックバックしてもらうというビジネス)
主たる業務は海外でなされ、CRA(Casino Regulatory Authority)による必要なライセンスを、代表者もしくは本人が保持している事。
10、ツアー帯同
Singapore Tourism Boardのツアーガイド規定に抵触しない事。

 色々な職務活動で日本との往来も激しくなっている昨今ですが、出張に行く国での法律は遵守するのが大事です(特にシンガポールの場合、人種宗教政治には要注意です)。
 短期でシンガポールに来られて、何かしらの活動を考えている方は、まずご自身の活動について、何が必要かを確認する必要があるでしょう。