【三浦コラム】Dependent Pass保持者(帯同家族)の就労について

 海外で仕事するをには労働ビザが必需であり、労働ビザ取得者のご家族のビザ(帯同家族のビザ)を、ここシンガポールではDP(Dependent Pass)と呼び、その取得にも世帯主(労働ビザを持っている人)の月給の最低ラインが決まっています。

 実は昨年から、EP(Employment Pass)については、Q1,P1,P2の収入に関係しての仕分けはなくなっています(当コラムにおいて2011年にこの仕分けについての記載があります。こちらをご参考下さい。注=現在のEP取得の為の最低給与は2011年のコラム記載時と異なります。)。
 しかしながら、世帯主の月給によってDPの取得制限は変更なしの月給4,000ドル以上です。
 まず、この点は注意が必要です。

 今回はDP保持者の方の就労について考えてみましょう。

 当地の求人においてDPの方も応募可能と出ている求人票を目にする事があります。これはその言葉の通りに、DPの人も正式に労働する事が一定の条件下で認められている事を意味します。
 具体的には、雇用主がLetter Of Consent(レター・オブ・コンセント)申請をし、その承認を受ける事です。インターネット上で申請承認は可能です。勿論の事、承認前の労働は法律違反となりますので、注意が必要です。また複数の雇用主の元での就労はできない形となっています(転職場合には先の就労先より、LOCのキャンセルを行う必要あり)。

 さて、ではDP保持者は雇用主のLetter Of ConsentでMOM(人材省)の承認を取得さえすれば、何の問題もなく働けるのでしょうか?

miura-jan-15 少しお待ち下さい。
 世帯主(労働ビザを取得している人)の会社ではどの様な扱いがされているでしょうか?
 駐在の場合には、扶養家族として扶養手当が出ていませんか?その扱いはどうなっていますか?シンガポール法人から雇用されている人(現地採用者)にはその制限は当てはまらないはずですが、日本の会社に社員としての籍があり、駐在という形で働いている方々には該当する場合があります。
 派遣元の会社で駐在家族が働く事を禁止(もしくは働く場合には扶養手当を停止)するという規定があるやも知れません。それが海外派遣社員に関しての就業規則に明記されているかも知れません。
 また、会社の許可を得る事を条件として、扶養家族の労働を認める会社もあるやも知れません。

 知られなければ大丈夫というのは、あり得ません。狭いシンガポールです。それはあり得ないとお思い下さい。

 会社の就労規則は雇用主である会社と労働者である社員の約束事です。
 軽い気持ちで面倒な事にならない様に、DP保持者である方が働く場合には、必ずEP保持者である方の会社に確認をするなど、充分な配慮が必要です。

MOM(人材省)のDPに関する詳細記載はこちら