【三浦コラム】安全対策に関する会社の体制と社員(その家族)の心構え

 今回のイスラム過激派による日本人殺害には、心を痛めた方々も多かったと思えます。日本政府の指針に従い、注意勧告のメールがシンガポールの日本大使館から、私達の手元にも届きました。何とも複雑な思いは拭い切れません。
 去年の12月のコラムも安全について書きましたが、今回はこの事も踏まえて、再度異なる視点から海外での安全対策をどうするのかを考えてみたいと思います(シンガポールは安全だという事を前提に話を進めたいと思います)。

 シンガポールに住む日本人の方々は、近隣諸国に行く方が仕事でもプライベートでも多いはずです。これは仕事の面では、シンガポールを起点に周辺国の担当も兼ねて働いている人が多いからであり、また休暇ともなると気軽に国外旅行を楽しむのが通常でもあるからです。

 では、何かあった場合の対策などは、会社や家族で確定されていらっしゃいますか?

miura-thai・会社としては、社員からの報告を怠らない事。
 例えば、シンガポールからタイに4日間の出張に行くとします。当然ながら、乗った飛行機、泊まるホテル、訪れる顧客など。この辺りは出張計画書(申請書)に記載して、シンガポール法人の上司などに提出されている事でしょう。
それだけで充分でしょうか?
 通信手段の発達した現在です。もしタイに現地法人がなく、出張社員の足取りが滞在ホテルや訪問予定顧客くらいしか明確でない場合、時間を決めて、スマートフォンから簡単にできるメール(もしくはSMS)で上司への報告をするなど、追加でひとつは工夫をするのも必要かも知れません。勿論の事、シンガポールで一人オフィス、かつタイに現地法人もない場合には、日本の海外部(もしくはそれに類する部署)を窓口にするなど、対策を考えるべきでしょう。

・プライベートの時間でも国外に出る場合には、自分のいる場所を明確化する事(会社と社員、社員の家族で何かしらの取り決めが必要か?)。
 上記の会社の出張の場合同様に考える必要があるのかも知れません。

 何かあった際にスムーズに報告が届く様に、会社としての社員の安全対策の一つとして、緊急連絡網の確立も大事でしょう。

 加えて、個々人の安全意識の向上も今一度行う必要性があります。
 Face Bookなどで自分が今いる場所を、家族の写真を、顔写真つきで衆人に公開していませんか?日本語で書いているから大丈夫と思っていませんか?

 シンガポールには海外進出がこの国が初めてだという会社も多いですが、シンガポールが安全なのは、特殊な事だとお考え下さい。
 この機会に会社と社員(家族を含む)の安全対策を今一度確かめる事をお勧めいたします。

参考資料:外務省統計、2013年(平成25年)海外邦人援護統計の公表