【三浦コラム】Haze(インドネシアの野焼きから生じる煙害)とシンガポール

 先日NHKのニュースでもオランウータンの保護にからめて報じられました様に、インドネシアのHaze(ヘイズ=煙害)は自国だけでなく、風により周辺国にも被害を与えています。
 シンガポールでもこの時期の恒例行事とも言えるHazeによる大気汚染ですが、今年は過去最悪の数値であった2013に達しないまでも、報道によると11月までこの状態は続くだろうとの事。10月初旬についにインドネシア政府はシンガポールを含む数カ国に援助の申し入れをしました。
miuraOct15 Hazeの影響が見られる様になった当初に、シンガポール政府の申し入れを拒否しながらも、最終的にこの様な事になったのは釈然としないところですが、その理由を述べるインドネシア政府高官の言葉が報道されました。
 実際被害にあっているシンガポールに住む我々からしても、呆れるばかりの今回のインドネシア政府の対応でした。

 常日頃シンガポール政府は、英語を不自由なく話し物おじしないシンガポール人の国民性と反し、インドネシアやマレーシアには控えめな態度を取っている様に感じられます。インドネシアに関しては、スハルト政権時代程の良好な両国関係を築けていない様な気もしますが・・・・・・。
 
 しかしながら、シンガポール政府も今回はかなり強い態度で臨んでいる事が感じられます。
 これは特に選挙を終えて新体制となった内閣にとっての最初の大きな問題である事もその理由のひとつだと思えます。いわゆる仕事ができる内閣であるかの最初の試金石ともなっているとも言えるからではないでしょうか。こういう点でも、今回の問題解消に向けての政府の取り組みに国民の目が向いているのは確かです。
 
 今回シンガポール政府高官は、野焼きに関係すると見た複数の会社(1社はシンガポールにある会社)に対し、法的手段も辞さないと述べているとの報道もありました。
 また政府系スーパーFair Price(フェア・プライス)は該当のある会社の商品を全て棚から撤去するという対応を取りました。このスーパーはシンガポールにおける生協的存在であり、政府の方針に強く影響を受ける会社ですが、国内に多くの店舗を持つ巨大スーパーチェーンでもあり、ここから商品が取り払われるとシンガポール市場での販売にかなり深刻な影響がでるのは確かです。
 とにもかくにも、シンガポール政府の対処は注目されるところでありますが、我々在住者としては、各国の援助が功を奏し、シンガポールでも一刻も早く青空が見られる事を期待しています。

シンガポールの内閣のメンバーの顔ぶれはこちらをご参照

Haze(煙害)についての政府の公式ウェブサイトはこちらをご参照