【三浦コラム】2017年度シンガポール予算発表とシンガポール人の雇用について

 2月20日に2017年のシンガポールの予算が発表されました。
 シンガポール人の間では、水道料金が段階的に合計30%価格を引き上げられる事が話題になっておりますが、減税措置などは目新しいものはありませんでした。シンガポールの一般庶民にとってこれが一番の話題となっている面もありますが、水道料金は公共料金の支払いに占める割合は比較的少なく、私たち日本人にはあまり影響はないものだと思えます。

 今回強調されたのは、将来への投資です(詳細は下記PDFをご参考下さい)。
https://app.singaporebudget.gov.sg/data/Budget_2017/download/FY2017_Budget_In_Brief.pdf

 ところで、この中で石油関連・海運関係のワーカーの人頭税(Foreign Worker Levy)の値上げが1年間の延期が発表されています(参考資料PDF)。
http://www.singaporebudget.gov.sg/data/budget_2017/download/annexa1.pdf

 その理由に関しては、実は現在のシンガポールの経済の足を引っ張っているのが、この業種である事もその理由であろうと思えます。
 下記日本語記事にも取り上げられています様に、その深刻さはシンガポールの経済に影を落としています。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170123/mcb1701230500012-n1.htm


                                                                
 この様に先行きが不透明な中、企業が雇用を控えているのも事実です。

 この先シンガポール政府が失業者を増やさない為に、より雇用を守る政策を押し出してくることも考えられます。今後、失業率の上昇についても目が離せないところです。
http://stats.mom.gov.sg/Pages/UnemploymentrateToplinechartOverallResidentsSC.aspx

 シンガポールで小規模な会社運営をされている日本人にとって憂慮すべき事ですが、ご本人のEP(Employment Pass 就労許可証)の更新の審査に関し、どれだけのシンガポール人の雇用を生み出している会社なのか?この点がより厳しく問われる様になりました。

 外国人である日本人経営者も、よりシンガポール人の雇用を考えなくてはならない時代となったと言えるでしょう。