【三浦コラム】2017年のNDR(ナショナルデー・ラリー)について

 建国記念日がある8月には、シンガポールの今後の方針について、首相が国民に語りかけるというイベント=ナショナルデー・ラリーが毎年開催されます。今年は8月20日(日曜日)に開催されました。
 シンガポールに住む日本人にも影響する内容も含まれる場合もあり、私達シンガポールに住む外国人も、これを無視はできません。

 今年のナショナルデー・ラリーは、【プレスクール(小学校に入るまでの幼児教育)の充実】【国民の糖尿病対策】【Smart Nation】について、その方針等が発表されました。

 プレスクールの充実は、幼児教育の施設の増設と教員の質の向上で、次世代を担うシンガポール人のより恵まれた教育環境を整える事が目的です。勿論の事、これが引き続き女性の社会進出を後押しし、労働人口の確保にもつながるのだろうと思えます。

 糖尿病対策については、ひとつの病気がこの様な施政演説に盛り込まれるのは異例の事かも知れませんが、若者の患者も増えており、それだけ政府がこの病気を深刻に捉えている証拠でもあります。
 付随して面白いDataが開示されましたが、民族によってその糖尿病罹患の割合が違う事です(国民全体の9人に1人、60歳以上は10人に3人、華人10人に2.5人、マレー10人に5人、インド10人に6人)。民族によってその割合が大きく異なるのは、日常生活における食生活であろう事は想像できます。
 あまり歩かない日常生活、そして摂取カロリーの増加もその原因である事が述べられました。

ちなみに日本の患者数(男性15.5%、女性9.8%)は以下をご参考
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/024529.php

 

 

 

 

 

 

 

 

 シンガポールの暑い気候の中、確かに私達も日本での生活と比べるとはるかに歩く機会が減っているのは感じます。
 運動をするとともに、人間ドックなどの定期検診は欠かさないようにしなければなりません。海外での日々の忙しい生活で何かとそういう事がおろそかになりがちですので、会社で健康診断を義務付けされていない方は、個人で医療機関にかかり、健康診断をされる事をお勧めいたします。

 Smart Nationですが、演説の中でもありましたが、シンガポールと言う物理的にコンパクトであり、インターネット・システムを既に全土に張り巡らせた都市国家は、この方面ではかなりのアドバンテージを持っている事は間違いありません。
 E-Paymentのみならず、国内で使用するサービスなどに、色々とIT活用の拡充を一層図って行く事が語られました。長年使われてきた駐車場使用時のパーキングクーポンも年内にはなくなる方向と言うのは、少しばかり寂しい気もしますが・・・・・・。

 これからのシンガポールに必要なのは国民におけるそれらのIT機器を使用できる知識であり、またメインテナンスをしっかりできるエンジニアの育成でもあろうかと思います。
 こういうところがNDR(ナショナルデー・ラリー)で首相が、より多くの人がエンジニアを目指して欲しい、と述べた一要因なのかも知れません。

2017年の演説内容は、こちらをご覧下さい。
http://www.pmo.gov.sg/national-day-rally-2017