【三浦コラム】2014年8月 ラオス(ビエンチャン)視察旅行

 8月末2泊3日の行程でラオス(ビエンチャン)への視察旅行に参加しました。
 今回は現地に住み広くビジネスを行う華人系マレーシア人からの招きで、シンガポール人を介してのお誘いがありました。折角の機会だというので、そのシンガポール人の投資家グループに加わりました。
 一連の訪問スケジュールでは、現地で政府高官とのミーティングや懇親会も用意されていました。外国の投資やノウハウを自国に取り込み、発展に寄与させようという試みが、今回は華人ネットワークを通じてされたのだと理解しています。

 シンガポールに住む日本人の目での訪問の印象が、皆様のラオスに関する知識に、少しばかりでも寄与できれば幸いです。

 さて、具体的な行程ですが。
 往復の飛行機、この時期は直行便がないとの事で、バンコク経由のタイ航空で行きました。
 朝早い便でバンコクに飛び、乗り換えをしてビエンチャンの空港(ワッタイ国際空港)に着いたのは、既に午後1時すぎとなっていました。ハブ空港であるシンガポールのチャンギ国際空港からは東南アジアでは例外的に、移動だけでも少しばかり大変な感じです。

airport 空港は日本のODAにて建設されたものであるとの事、国内の他のインフラも日本からのODAがらみのものが多いそうです。しかしながら、近年いかに中国の影響力が強くなっているは、巨大ホテルやショッピングセンターなども軒並み中国資本が多く入ってきているという事からもわかります。

Shoppingmall 到着初日は、空港に迎えに来ている受け入れ側とランチに行き、そして視察受け入れ企業オフィスで、ラオスに関する基礎知識と投資メリットに関するプレゼンテーションを受けました。
 その後、タイ国境の方に建設中のフリートレードゾーン(免税措置が取られている工場団地で既に一部は稼働中)の見学(中には3年後開店予定のショッピングセンター建設地もあります)に車で約1時間かけて行きました。ビエンチャンは非常にタイ国境とも近く、フリートレードゾーン(工場団地)近くにある小さなカジノにはタイ人の人達が通ってきていました。タイがラオスの国にまで影響を及ぼしているのが、些細な街の風景からもわかります。
初日はホテルでディナーを取り、解散。

 2日目は、午前中私は別行動を取り、7月に開所したというJETROのオフィスを訪問しました。日本人2人体制でまずは活動開始といったところでしょうか。JETROの入っているオフィスビルは6階建てで、高層ビルがないビエンチャンではランドマークになる様な建物でした。
 ランチで他のメンバーと合流、イタリア人が経営するというイタリア料理店に。味も懸念なく、おいしくいただけました。ちなみに、日本食レストランもビエンチャンには4-5店あるそうです(800-900軒はあるだろうと言われるシンガポールと比べると格段の差です)。
 午後は国立病院を訪問、医療施設はまだまだの感じを受けました。実際ラオス人もタイにある病院に行く事もあり、お金持ちなどはバンコクの病院に行くとの事。
 ディナーは、華人系マレーシア人のホストの家でのガーデンパーティに行きました。広々とした庭にバンドを呼び、政府高官や某国大使などをとの交流会。

 3日目は、再度ホストからのブリーフィングを受けて、空港へ。この日は移動日として消化。

street 視察旅行を終えた感想は、日本企業の経済活動からすると、まだまだの感想が強く残りました。
 ラオスの人口は約650万人(ビエンチャンには約150万人)と少ない事。農業が主産業であり、労働者の確保が難しく、言葉の問題がある事~労働力、人材と言葉―――英語、日本語を話す人材が少ないのが結構ネック。交通網が整備されていない事。
 これらの問題が大きくあります。
 実際、タイに進出してる日系製造業企業が、隣のラオスにも工場を持つ場合、タイで日本人慣れしたタイ人スタッフを派遣して通訳兼工場指導者をやらせるのは大変有用な様です。
 反面、農地として適した土地が広くある事。進出企業が少なく、先行者利益が見込める事。
 こういう利点もあるのも事実です。
 
 一見は百聞にしかず、ご興味がある方は一度足を運ばれてはいかがでしょうか?

掲載写真は上から、ワッタイ国際空港、フリートレードゾーンの建屋建築予定地、凱旋門(アヌサーワリー・パトゥーサイ)。