【三浦コラム】海外在住者として、バングラデシュのテロに思う事

 7月1日にバングラデシュのダッカでテロがあり、日本人を含む多くの方々が犠牲になりました。
この様なテロが、大使館街である外国人が集うお店で起きた事に、びっくりした人も多いでしょうが、実は私自身も大きなショックを受けています。
 バングラデシュに関係する仕事を持っていない為、実際はまだ訪れた国ではないのですが、私には「もしあの国にいれば自分もそこにいたかも?」と思えました。
 実は私は海外出張時に、外国人が行くお店を必ず利用するひとりです。私と同じように自分が住む国から外に行ったおりには、外国人が利用するお店に足を運ぶ海外在住日本人も多いのではないでしょうか?
 海外出張や海外で住んだ事のない人には想像できない点もあろうかと思いますが、ニュースなどの映像を見る限り、我々海外在住者が「では、あのお店に集まりましょう」と言い、ごく普通に利用するお店だと思えました。けっして贅沢とかいう話ではなく、スタッフが外国人慣れしている外国人が集うお店は、やはりリラックスできるのも事実です。

 一部の人達が、ラマダン(断食)の時期に何故その様なところで食事をしたのか?とか、日本政府の安全に対する勧告が充分でなかったのでは?とか述べている様ですが、私はこういう意見に首を縦にふる訳にはいきません。

 何故ならば、誰にでも起こりうる事に思えるからです。
 このコラムでも過去に安全対策についても述べてきましたが、今回の件はその場に居合わせた人にとっては避けようがないものだったと・・・・・・。

 当然ながら、この様なテロは許されるべきものではありません。
 また、暴力によって現状は何も変わらず、反対にその国の窮乏に拍車をかけるだけに思えます。確実に民間企業の経済活動にはブレーキがかかる事が予想されます。

miurajul16 今月はフランスを始め、他国でも複数のテロと思われる殺戮がありました。
シンガポールからほど近いインドネシアのビンタン島やバタム島でもテロ予告があったのも、気にかかるところです。

 7月20日、NHKの報道番組で、シンガポールで逮捕拘束されたバングラデシュ人のことが報じられました。去年から現在までで40人ほどが当局に拘束され、その内8人はISとの関わりが認められたとのこと(攻撃対象はバングラデシュであり、シンガポールではなかった)。ちなみに現在シンガポールには約15万人のバングラデシュ人が主に建築業の現場にて働いているそうです(写真:地下鉄駅周辺で整備工事で働く外国人ワーカー 急ピッチで進む地下鉄整備にも外国人労働者は欠かせない)。
 これからシンガポールは8月の建国記念日に向けて何かと人が集まる機会が増えます。
 安全な国シンガポールですが、用心すべきところは用心し、日々の生活をいつも通りに送る事が肝要なのかも知れません。

 最後となりますが、命を落とされた犠牲者の皆様のご冥福をお祈り申し上げます。

・シンガポールの報道(チャンネルニュースアジア2016年5月3日)関連記事(ISと関わりある8名逮捕)はこちら
・外務省海外安全ホームページ バングラデシュはこちら