【三浦コラム】シンガポールで守るべきルール(民族・宗教にかかわる発言)

 シンガポールでは、販売されている日本の商品やブランドそして和食店など、多くの日本文化を感じる事が多い為、時として海外に住んでいるという意識が希薄になります。ただあくまで外国に住んでおり、自らの不注意により、自分や家族の海外生活に支障を生じる事もあります。
 今回はここシンガポールで生活するにあたって、気をつける発言について触れてみたいと思います。

 普段意識しないかも知れませんが、日本では日本で住むに守るべきルールがある様に、ここシンガポールでも日本では見逃されている事が大事にいたるタブーがあります。
 そのひとつが他民族・他宗教に対するいわれのない中傷です。

 

 

 

 

 

 

 最近でも、シンガポール人の10代の若者が宗教を揶揄した事で、実刑を受けました(彼の場合には、米国に亡命申請をするという行為にいたり、日本語メディアでも報道されました。切り口が異なる様でしたが、実は宗教への侮辱的発言が問題とされています。)。また、他にもイスラム教のインド人導師がモスク内での他宗教に係る発言が公となり、罰金の上に、結果国外に退去せざるを得なくなりました。こちらは、その発言内容の動画をインターネット上に掲載した人も捜査の対象となりました。

特に外国人が対象というインド人導師の事件については、下記のニュースをご参考下さい(英語)。
http://www.straitstimes.com/singapore/imam-who-made-offensive-remarks-against-christians-and-jews-charged-in-court

 日本ではこの手の発言は非難やバッシングをされようとも、実刑をともなう警察の取り締まりの対象とはされていないと思えます。
 背景にはシンガポール独立時の民族対立や国自体の成り立ちがあります。ひんぱんにハーモニーという言葉を耳にする様に、シンガポールは多民族・多宗教の協調・共存に配慮した社会である事も大きな要因です。

 外国人だから、いいというものでなく、すべての在住者がそのルールの対象となっています。また、日本語だからというのも通用しません。この事は頭の片隅にとどめておきたい事実です。

 特にシンガポールで新たに生活を始めた方々多い時期、その国のルールというものに改めて目を向けたいものです。