日本では定年延長など、高齢者の就労について取りざたされていますが、実はここシンガポールでも国民の高齢化に伴う問題が諸々と考えられます。

その中のひとつ、シンガポールの定年と再雇用について、今回は制度と現状という点で考えてみましょう。

シンガポールの定年は現在62歳以上とされています。
*会社の労働規約では、62歳としている会社が多いのではないでしょうか?

MOM(人材省)公式サイト
In accordance with the Retirement and Re-employment Act (RRA), the minimum retirement age is 62 years. Your company cannot ask you to retire before that age.
https://www.mom.gov.sg/employment-practices/retirement

この年齢に達する社員(シンガポール人・永住権保持者)の処遇について、企業サイドとしては複数の条件提示が求められます。

  • 現状維持
  • 再雇用による雇用条件変更
  • Employment Assistance Paymentを支払う形での退社

まず勘違いしてはならない点として、会社が同じ業務内容を該当社員に続けさせる場合には、基本的に定年が過ぎても給与やポジションの変更はできません。

再雇用制度の枠では、定年後に仕事の負荷を減らして、該当社員がその仕事内容と給与額に納得された場合のみ、以前よりも減額された給与額での再雇用が可能となります。

ただし、日本人と比べて、資産形成に長けたシンガポール人です。

不動産投資や株式投資など、自分たちの老後を考えた貯蓄を行っている人たちが多いのも現実です。

特にマネジメント層のシンガポール人では、何もやっていない人の方が珍しいのではないでしょうか?

資産形成の上、既に定年後の計画を立てている人もいるでしょう。

また、自負心が高いシンガポール人の気質からすると、給与やポジションの待遇が落ちるということは、なかなか受け入れがたい点もあろうかと思えます。

充分な資産を持っていることが前提ではありますが、私の身近なところでも「定年前の給与以下のオファーしか見込めないから、もう完全リタイアする」と公言し、その通りにしたシンガポール人の友人がいました。

こういう事情に疎く、定年後も声をかければ引き続き会社に留まるだろうと安易には考えてはなりません。

つまり、該当社員が定年後に自社で引き続き働いてくれる保証はどこにもありません。

反面、定収入が必要なため再雇用を希望する社員がいても、雇用し続けることが経営上困難な場合もあるでしょう。

基本的に、再雇用は企業側の義務とされており、もしそれが不可能な場合には、保証としてEmployment Assistance Paymentを支払う義務が生じます。

まずは、定年を過ぎての雇用関係については、労働規約に沿って、あらかじめ比較的早い時期に会社と該当社員の間で話し合いを持ち、互いの意向を確認するなどの措置が必要です。

国民(永住権保持者を含む)の平均年齢が40歳を超え、外国人の就労ビザ取得が難しくなってきているシンガポールです。

これからのシンガポールでは、現役世代と定年後の社員雇用をどううまく融合活用できるかが経営の欠かせない要因となりそうです。

シンガポールの人口や平均年齢については、2018年10月のコラムも合わせてご参考ください。
https://www.miura.sg/archives/1710


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