【三浦コラム】2021年12月 シンガポールの新型コロナの現状とワクチン接種渡航(VTL)について

2021はコロナに明け暮れた年となりました。
長年海外生活を続けていますが、このようなことは私の体験でも初めてです。

今回は、今後の未来につながる2つの点を取り上げてみました。

ニューノーマル 新しい日常へ

シンガポール厚生省は、12月上旬に毎日の感染者数のプレスリリース、登録者向けのWhatsAppの毎日の送信をやめました。
勿論のこと、引き続きシンガポール厚生省のウェブサイトには、日々の感染者数などのデーターは公開されていきますが、今までのような告知を別枠で出していくことをやめることになります。

シンガポールの政策としては、感染状況を視野に入れ、シンガポールの住人(国民のみならず外国人も含む)を守りながらも、ニューノーマルとして緩やかながらも日常の回復を図ろうという意図を感じ取れます。

それは前に「お知らせ」で掲載した12月14日のプレスリリースにも濃く反映されています。

  • ブースター(ワクチン)接種の促進、対象年齢層の拡大
  • ワクチン接種区別安全管理措置Vaccination-Differentiated Safe Management Measures (VDS)の拡大、施設等入場制限の強化
  • ICU、 病院、治療施設(COVID-19 Treatment Facility  CTF)の能力強化、医療サポート体制
  • 職場や地域社会での定期的な検査も引き続き推進、簡易検査の日常化

PREPARING FOR THE OMICRON VARIANT
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/preparing-for-the-omicron-variant_14Dec2021

題名こそ「オミクロン変異株に備えて」なっていますが、その根底には変異株に対する注意とともに来年からの指針が見られます。
是非とも、上記プレスリリースを一読ください。

ワクチン接種・ブースター接種の促進

日常生活に欠かせない前提とするのが、ワクチン接種です。
ワクチン接種については、更なる接種拡大を行うとの旨、発表がありました。
5歳から11歳までの児童に対するワクチン接種の開始、18歳から29歳までの人に対するブースター接種プログラムの拡大です。

EXTENSION OF PRIMARY SERIES VACCINATION TO CHILDREN AGED 5 TO 11 YEARS AND BOOSTER VACCINATION TO ALL INDIVIDUALS AGED 18 TO 29 YEARS
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/extension-of-primary-series-vaccination-to-children-aged-5-to-11-years-and-booster-vaccination-to-all-individuals-aged-18-to-29-years

接種の迅速化を図るために、14日の発表では、ブースター接種において、接種後の観察時間を30分から15分に短縮することも加えられました。

これにてほぼすべての住人が「ワクチン接種というウィルス対策」に守られる形となります。

出入国措置

対外国に向けては、入国規制の緩和です。
ワクチン接種渡航Vaccinated Travel Lane (VTL)については、既に多くの国との間でこの取り決めを行っています。

Vaccinated Travel Lane (Air) Overview
https://safetravel.ica.gov.sg/vtl/requirements-and-process#countries

日本とのVTLはまだですが(12月14日段階)、オミクロン変異株が落ち着いたら、いずれ開始が図られると思えます。
我々日本人としては、日本とのVTLが結ばれれば、ワクチン接種と非感染証明をもって、より容易な日本への一時帰国が計画できます。早期の開始が望まれるところです。

明るい材料としては、日本の「ワクチン接種証明アプリ」が、12月20日からApp Store及びGoogle Playで公開予定です。

新型コロナワクチン接種証明書アプリ(日本政府/デジタル庁)
https://www.digital.go.jp/policies/posts/vaccinecert
関連ニュース
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/13/news167.html

合わせて、入国支援アプリも12月20日から公開されます。

入国支援アプリ関連ニュース
https://www.the-miyanichi.co.jp/news/Culture/2021121401001120.php

日本/シンガポール間において、ワクチン接種をデジタル機器で証明し合えるという点で、ようやく準備が整ったということになります。

新型コロナ対策は国内と海外、この双方から複眼的に対策が立てられなければなりません。
少なくともここシンガポールでは、一進一退しながらも、用心深く、前へ向けて動き始めていることが実感できています。

12月末には私もVTLを利用して、タイを訪れる予定です。
出発までのそして現地到着時、さらにシンガポールに帰国してからの手順に戸惑ってはいますが、これもニューノーマルと考えて、まずはワクチン接種渡航を体験してきます。
年明けにでも、私の体験をこの場で皆さんにご提示できればと考えております。

少しずつ前へ、これが私の感じているシンガポールの今です。

クリスマス恒例のイルミネーションもついて、オーチャードロードには多くの買い物客で賑わっています。