【お知らせ】シンガポールの新型コロナウィルス(COVID-19)対策 プロトコルの更新・ブースター接種

シンガポールでのオミクロン変異株に対する対策が新たに発表されました。
特にシンガポールに住む日本人の皆さん全てに関係するのは、ブースター接種についてです。

以下、発表内容をまとめました。
必ず、原文と照らし合わせてご参考ください。

発表要旨

2022年1月5日の現状(オミクロン変異株について)

  • オミクロン変異株感染患者総数が増加。
  • オミクロン変異株は感染力が強いため、デルタ変異株よりも大きな感染の波が発生する可能性があり。
  • オミクロン変異株は重症度が低いこと、ワクチンやブースターによる予防が継続されていることから、重症例や死亡例は割合的に少ないと思われるが、多くの症例が発生した場合、集中治療室(ICU)を必要とする人が多くなり、医療システムに大きな負担がかかることが予想。

今後の対応

  • オミクロン変異株のケースについても、他のCOVID-19同様に、プロトコル1-2-3への移行や、専用施設に隔離せず自宅療養させるなど、管理方法を既に変更済み。
  • 今後「プロトコル1-2-3」を充実させることで、COVID-19案件の管理をさらに効率化。特に、症状が軽い低リスクのCOVID-19患者が安全に療養できるよう、初期対応医師と連携し、「プロトコル2」の対応できるようにする。
  • オミクロンの変異株に対する防御力を最大限に高める・完全なワクチン接種状態を維持するために、ブースター接種を推進。

オミクロン感染者に関する最新情報

  • COVID-19の状況は、依然としてコントロール下。
  • この1週間、1日の患者数は平均して約200人(16人が現在ICUで治療)。
  • デルタの波が収まっても、オミクロンの確定感染者は増加中。
  • この1週間で、輸入感染者1,048名、国内感染者233名の合計1,281名のオミクロン変異株感染者を確認。
  • オミクロン変異株は感染力が強いため、近いうちに再び地域感染の波がやってくる予想。

医療プロトコルの改訂
(注)過去は管理要綱と訳してきましたが、既にプロトコルという言葉が一般的になっているため、今後はプロトコルとして掲載していきます。

  • 2021年10月11日以降、個人の責任と自己管理へと、医療プロトコルを適宜簡素化。
  • COVID-19患者の大半は、陽性と判定された後、安全に自宅で自己隔離または療養。
  • オミクロン変異株は感染力が強い反面、重症化しにくいため、「プロトコル1-2-3」の運用をさらに強化。
  • 2022年1月6日からは、以下のプロトコルに基づき、症状の重症度や健康状態に応じた管理。
  • 入院を避け、自宅で療養できるようにするため、初期対応医師が重要な役割。
  • 症状の軽い低リスク者については、初期対応医師が医療機関で実施する抗原迅速検査(antigen rapid test  ART)により直ちに診断を行い、プロトコル2のもとでケアを継続。

症状が軽く、重症化するリスクが低いことを医師により確認された後は以下。

  1. 72 時間自宅にて隔離。その後、体調が良ければ、自ら行うARTにて陰性になった時点で、自己隔離を解除し、通常の生活を再開可能。
    ART陽性が続く者は、ARTで陰性となるまで、あるいはワクチン接種者は10日目まで、ワクチン未接種者または部分接種者は14日目のいずれか早い日まで、自己隔離と自己検査を続けること。
  2. 初期診断医師より、症状が治まるまでに必要な5日間の医療診断書(MC Medical Certificate)を受ける(臨床的判断により、それ以上でも可)。
    症状が悪化・時間が経っても改善されない場合は、再度医師の診察を受けるか、緊急時には995に連絡すること。
  3. 健康リスク警告(Health Risk Warnings  HRW)は、TraceTogetherアプリと同居人の申告によって特定された感染者の濃厚接触者に発行。HRWを発行された人は、プロトコル3に従うこと。
  • 高齢者、妊娠中、免疫不全者などのハイリスク者、または胸痛・息切れ・長引く発熱などの顕著な症状を持つ人は、プロトコル1により、ARTとポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction  PCR)検査の両方を受ける必要があり、陽性であればワクチン接種状況に応じて10日間または14日間の隔離命令(Isolation Order  IO)が発出される。
  • 元気で無症状の低リスク者は、ARTで陽性となった場合、引き続き既存のプロトコル2に従う。

プロトコルについては、メディア記事が分かりやすくまとめられています。
MOH: Revised protocols to streamline cases based on severity of symptoms & health status from Jan. 6
https://mothership.sg/2022/01/enhanced-protocol-2/ 

ワクチン効果維持のためのブースター接種について

  • ワクチン接種(特にブースター接種)は、COVID-19およびオミクロン変種に対する重症化に対する実質的な防御を保持。ただ、一次接種による予防効果は時間とともに低下し、最後の接種から6ヵ月後には効果は大幅に低下。
  • 国際的なデータでは、一次接種によるオミクロン変異株に対する防御力はデルタ変異株に対する防御力よりも弱く、ブースター接種により感染防御力・重症化防御力は向上。
  • 専門者委員会(Expert Committee on COVID-19 Vaccination EC19V)は、18歳以上の一次接種終了者に対し、最終接種後270日以内にmRNAワクチンによるブースター接種を行うよう勧告。
  • シノバック-コロナバック(Sinovac-CoronaVac)の3回接種、シノファーム(Sinopharm)の3回接種、その他のWHO EULワクチンの接種など、国家予防接種プログラムの下で提供されている公認非RNA一次接種を受けた個人にも適用。

2022年2月14日よりブースター接種推進の施策

  • 専門者委員会の推奨を考慮し、2022年2月14日以降、COVID-19ワクチンの一次接種を終了し、ブースター接種の対象となる18歳以上の人は、一次接種の最終接種から270日間は完全接種。
    推奨されるブースター接種は、一次接種から5カ月後頃、最長270日以内に接種すること。ブースター接種後は、270日を過ぎても引き続き完全なワクチン接種とみなされます。
    例: 2021年6月1日に一次接種を完了した場合、5か月後、すなわち2021年11月1日以降にブースター接種の対象であり、2022年2月26日までにブースターを受けることで、引き続き完全なワクチン接種とみなされます。
  • COVID-19から回復したワクチン接種者については、現時点では追加のブースター接種は必要なし。
    ただし、感染前にワクチン未接種または部分接種であった回復者は、感染後3カ月以上経過してからmRNAワクチンを1回(シノベック・コロナバックワクチンは2回)接種すれば、完全ワクチン接種とみなされます(この接種要件を満たした回復者には、270日の接種有効期間は適用されません)。

詳細は、シンガポール厚生省のプレスリリースをご参考にしてください。
STRENGTHENING OUR READINESS TO LIVE WITH THE OMICRON VARIANT
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/strengthening-our-readiness-to-live-with-the-omicron-variant