【三浦コラム】シンガポールにおけるオフィスの種類と場所の選択について

 シンガポールは都市国家と言われ、車で走ると端から端まで一時間弱でたどり着くことも可能です。まさにコンパクトな国と言えます。
 しかしながら、いざオフィスを構えるとなると、迷ってしまう事でしょう。
 では、オフィスを構える時には、どのような注意が必要なのでしょうか?

 最近の日系企業の進出としてはかなり数が少なくなっていますが、生産基地としてのシンガポールをお考えの場合は、当然工場が必要です。
 これは政府の政策により、工場を運営できる団地の場所が、その生産されるものによって振り分けられています。よって、生産するものが何なのかを前もって関係各所に確認をし、場所の選定に移らねばなりません。

 現在一番一般的ですが、オフィスのみの会社の場合、次の3つが考えられます。
1=通常のオフィスビルを賃貸契約
2=複数の会社が入り、秘書サービスがあるサービスを賃貸契約
3=住居をオフィスとしても利用

miuradec10 1の場合は、場所によりSQフィートあたりの価格がかなり異なります。自社の業務上、シェントンウェイなどのオフィス街にある必要があるのか、ないのか。倉庫スペースが必要なのか、そうでないのか、など。オフィスビルだけでなく、タウンハウスが連なる工場地区も街の郊外にはあります。
 また、合わせてユニットの大きさも考慮に入れると、SQフィートあたりは割高ですが、小スペースの場合トータルでは安価なこともあるでしょう。

 2の場合は、通常オフィス街にあります。不在中には総合受付の秘書が電話等を受け取ってくれますので、ひとりオフィスの場合には助かります。ただし、会議をする為の部屋なども使用時には別途料金がかかるなど、家賃以外のところで割高になる可能性もあります。

 3の場合は、プイライベートプロパティとHDBフラットの2つに分かれます。賃貸の場合には、オーナーとの確認が必要でしょう。また、HDBフラットの場合には、政府の関係部署に申請&許可を取る必要があります。住居兼オフィスは業種が絞られるので、その点の注意も必要です。基本は人の出入りが少ない業種の様です。

 シンガポールに会社があるという事は、海外出張も多いかもしれません。空港までのアクセスはどうでしょう。JB(ジョホール・バル)へ行く機会が多ければ、それも考慮に入れましょう。

 人件費は会社運営のコスト面で多く話題にあがります。同じ様にオフィス代もコストです。人員整理は比較的容易なシンガポールの法律からすると、途中で解約が簡単にできないオフィスの方が重く会社の運営に影響を与えます。
 予想できないのが、契約が切れる段階での次の家賃価格提示です。住宅の賃貸と同じ様に、景気の動向によっては大きく乱高下するのも、ここシンガポールの特徴です。

 綺麗なオフィスをビジネス街に構える事は、働く者の、また経営者の希望でもあるでしょう。内装などにかかる費用も考慮に入れて、慎重にオフィス選びをする事をお勧めいたします。

*参考資料:EDB(Singapore Economic Development Board)のホームページ (少し古い資料ですが、わかり易いので紹介いたします。2010年の賃料のForecastについては現実とのすり合わせが必要です。)