【三浦コラム】2015年以降、家賃の会社補助が、個人の所得税に与える影響について

施行が少し先の話になりますが、税務当局から発表のあった所得税の計算方法が2015年から変更となります。
今回はこの影響について、税務当局が出している例を挙げて、考えてみます。

2014年までは、
・従業員の年収の10%、もしくはAV(Annual Value=税務当局が定めた年間の市場価格、実際の賃貸価格より低くなる様です)
・個人負担の支払い分は除く
・家具等の価格(税務当局によりリスト化されています)
@その他は省略

2015年からは、
・AV(同上)
・個人負担の支払い分は除く
・家具(フルの場合には)、AVの50%、(フルでない場合)AVの40%
@そのほかは省略

税務当局の事例を例にとりますと、
年間の給与200,000ドル、ボーナス50,000ドルの社員(為替レートを1ドル80円で計算すると、年収約2000万円)。
家具付き(フル)の住宅を賃貸。AVが30,000ドルとする。
家具の税務計算価値を2,622ドルとする。
個人負担6,000ドルを行う。

この場合、

2014年までは、
年収の10%=10%x(200,000ドル+50,000ドル+2,622ドル)=25,262ドル
もしくは、AVの30,000ドルの安い方。
個人負担の支払い分は除く
よって、21,884ドル=25,262ドル+2,622ドル-6,000ドル

2015年からは、
AV30,000ドル
家具付き(フル)15,000ドル=30,000ドルx50%
よって、39,000ドル=30,000ドル+15,000ドルー6,000ドル
課税対象に加算される差額は、17,116ドルとなります。
miuradec13 シンガポールで働いている人は、その源泉がシンガポールにある限り、納税はシンガポールになります(例:駐在員の日本での給与)。
通常の日系企業では、駐在員のシンガポールでの所得税は会社負担を行っている事でしょう。当然ながら、その所得税支払い分も個人の所得となります。
個人の所得税申請の基礎額=シンガポールでの給与+日本での給与+会社が負担する所得税分+上記の家賃補助分+その他
諸々と考えると、特に駐在員を多く抱えている会社はかなりの負担増になる事は間違いなさそうです。シンガポールでの会社運営に与える影響はない、とは言えそうにありません。

参考:IRAS(Inland Revenue Authority of Singapore) ウェブサイトはこちら