【三浦コラム】外国人労働ビザの発給に関わる給与条件引き上げについて
毎年独立記念日の時期に首相が国民に今後の国の方針を語りかけるNDR(ナショナルデーラリー)があります。
今年は8月14日に行われました。
諸々の内容が語られたのですが、その中のひとつに外国人の労働ビザ発給に関わる給与条件引き上げがありました。外国人がシンガポール人の雇用を奪っているのではないか、奪うのではないかという国民の不安感がその背景にある事は間違いありません。
7月1日に一度引き上げられたのですが、2012年1月1日から再度引き上げられます。
NDR後8月16日にMOM(労働省)から出された詳細を見ますと、以下の様になります。
・S Passについて
7月1日の変更から変更なし
・EP(Q1 Pass)について
最低月給が現状2800ドルが3000ドルとなり、Young Graduatesは3000ドルが最低ライン。
Good Quality Institutionsを卒業している事が条件となります。
Older Applicantsは最低月給が3000ドルにその経験を加味・加算した金額。
・EP(P2 Pass)について
最低月給が4000ドルから4500ドルに引き上げ
・EP(P1 Pass)について
7月1日の変更から変更なし
問題は駐在員を含め、Q1 Passに該当する人です。
該当部分をあえてそのまま英語で記載の理由は、その単語解釈が定かではない様に思えるからです。
Young Graduatesは新卒のみなのか、それとも20代のある一定の年齢以下なのか?
Good Quality Institutionsとは、4大卒のどのレベルの大学まで含まれるのか?
Older Applicantsとはどの様な年齢でどの様なスキルを身につけている人なのか?加算されるべき金額はどの程度なのか?
シンガポールではビザ発給をされない場合、MOMからの明確な回答を得るのは難しいかもしれません。
ここの解釈に含みを持たせる事で、ビザ数を絞る場合に備えているのかもしれません。
これからシンガポールにおいて日本人を雇う側・雇われる側、起業し自分のビザを申請する人は充分に注意をする必要があるでしょう。