【三浦コラム】万が一の海難事故にあった時の為、備えとして考える事

 シンガポールからほど近くにあるビンタン島やバタム島は共にインドネシアの島ですが、シンガポールに住む人達が身近なリゾート地としてゴルフを始め、レジャーで訪れる場所としてひじょうに人気のある場所です。
 日本人などの外国人も今年はインドネシアの両島での入国ビザが廃止されて、週末などの短期のお休みに訪れるのにいっそう障害のない、より近い外国となりました。

 そういう中、11月29日(日曜日)のフェリー(日本人的には高速船との表現が合うかも知れません)がバタムからの出港10分後に浮遊物に衝突をし、船が停まり、備え付けの脱出船で本船を離れたところ、その船3隻中2隻が沈没するという事故がありました。
 こういう事故はシンガポールに長年住む私にとっても初めて聞く様な稀なケースです。雨季に入ったシンガポール周辺では浮遊物にぶつかる事もあり得るだろうと思えますが、脱出船が沈没するというのは、まさに驚きの事実です。

FerryTerminalS 報道された写真を見ても、既に暗い中で救助されています。どれだけの恐怖を味わったことでしょうか?
 97人の総員中、けがをした人はいないとの事、まさに不幸中の幸いでした。バタム出港後10分後という事で陸地の近くであったであろう事も、幸いしたのではないかと思われます。

 先日その墜落原因が特定されたAir Asia事故など、助かる見込みのない事故は個人の力ではどうしようもないですが、海難事故は韓国での事例を鑑みて、乗船時には何かあった時の避難路を複数見当をつけておき、迅速に行動をするなどが有効だろうと思えました。
 今回の事故は本船が短期間で沈むなどの事例でない為、右も左もわからないパニックになったとは考えられず、よって皆が救命胴着を身につける時間も充分にあった様です。

 人は何も起こらない事を前提に、用心深い人を神経質だなどと笑う傾向があります。果たしてどうだろうか?と思います。
 さすがに最近はニュースとして聞きませんが、ホテルの避難路が(鍵が閉まっていた、物置になっていたなどの理由により)通れずに、火事に巻き込まれて人が亡くなる事故も過去にはここ東南アジアでは起きています。
 乗り物に乗る時やホテルに宿泊時には、取り敢えずは避難路を確認しておくという、ひと手間かける大切さを改めて今回の事故で感じました。

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