【三浦コラム】新型肺炎世界的大流行の中、シンガポールの現在について(20年10月)

10月になりました。ここシンガポールでは確実に新型肺炎患者数が減り、街中にも人が戻ってきました。

シンガポールの市内感染は抑え込み成功

こういう状況では海外旅行に行けないため、ホテルのステイケーション(リラックスするためにホテルに宿泊すること)や人気飲食店などは予約が詰まっており、混雑を避けながらも盛況です。

建物や店舗に入るたびに登録し、外出にはマスク着用が義務付けられていますが、週末などは街に人が戻ってきたことを実感できます。

・10月7日の患者数
新規患者10人(入国者6人、市内感染0人、ワーカーの寮4人)、患者数189人(累計患者数57,840人、累計死者数27人)、入院者数39人(集中治療室入院0人)施設収容人数150人
・10月8日の患者数
式患者9人(入国者5人、市内感染0人、ワーカーの寮4人)、患者数154人(累計感受明日う57,849人、累計死者数27人)、入院者数35人(集中治療室入院0人)施設収容人数119人

シンガポールで生活をしていて気を付けるべき市内感染者は、ここしばらくほぼいないほどに低下しました。

市内感染はほぼ抑えられた形です。

入国者については、患者が出てはいるものの14日間指定ホテルでの待機が義務付けられていますので、外部との接触はありません。

一時期懸念されるほどの爆発的な数字だった外国人ワーカーの寮での感染も、ここまで低下しました。

実質シンガポール国内での新型肺炎新規患者数は、抑え込みに成功した形となります。

経済ダメージは深刻

ただ、経済面をみると現状は深刻です。

シンガポールは国境を越えた人の往来が盛んな国であり、それがこの国の強みでもありました。観光客のみならず、国際会議や大規模展示会、そしてコンサートを含む各種イベントが数多く開かれ、入国者の絶えない国でした。

しかしながら今は、外国との往来に強みを持っていたことが、現在逆に弱みともなってもいます。

これからのシンガポールは、近々と言われる規制緩和(フェーズ3 *現在はフェーズ2という段階)に向けて、新たな患者を出さないように同対策を行うのか?

それだけでなく、ダメージを受けた分野の経済活動をどう復活させるか?

など、様々なハードルをクリアしていく必要があります。

10月5日月曜日には、副首相による演説があり、さらに国民の生活を守る手立てが講じられる旨が述べられました。ただ、期待したほどには、あまり目新しいものは感じられませんでした。

No new round of Covid-19 support measures in Monday’s ministerial statement, says DPM Heng(Strait Times)

https://www.straitstimes.com/politics/no-new-round-of-support-measures-in-mondays-ministerial-statement-says-dpm-heng

サポート策を打ち出すものの、少しばかり様子見というような雰囲気でもあります。

兎にも角にも確実に失業率が上昇している現在、この経済状態を新型肺炎パンデミック前に短期間に戻すのは無理があり、今後の政治的かじ取りに加えて国民の覚悟が求められることでしょう。

失業率について

国民・永住者の8月失業率4.5%、上昇加速(NNA)

https://www.nna.jp/news/show/2103043
Singapore’s overall unemployment rate in August climbs past global financial crisis’ high(CNA)

https://www.channelnewsasia.com/news/singapore/unemployment-rate-singapore-august-covid-19-13218836