【お知らせ】シンガポールの新型コロナウィルス(COVID-19)対策 規制・隔離方法の変更・一部国への渡航ルール変更
シンガポールでは、10月9日にリーシェンロン首相が国民に向けて、今後の方向性についてスピーチを行いました。
その内容は、新型コロナと共生の方向で行くという趣旨でした。
首相のスピーチ内容は、下記をご参照。
それを受けて、タクスフォースから実務上の発表がありました。
今回は大幅なルール変更がありましたので、より詳しく記載します。
*シンガポール厚生省など、政府関係各所のオフィシャルサイト‐原文を必ず再確認するようにしてください。
シンガポール厚生省ウェブサイト
PROTECTING THE VULNERABLE, SECURING OUR FUTURE (2021年10月9日)
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/protecting-the-vulnerable-securing-our-future
シンガポールの現状とこれから
9月27日からの規制強化期間に準備したこと。
- COVID-19治療施設を建設し、病院や地域医療施設を補完。
- マンパワーの強化、テクノロジーの導入、在宅療養プログラム(HRP Home Recovery Programme)プロセスの合理化
症状が軽度または全くない人の大半が、自宅で安全に療養可能なった。
- ワクチンを接種した人がウイルスに感染しても、ほとんどの場合、軽度の症状のみ。
- 12歳以下の子どもたちは、ワクチンを接種していなくても、一般的には軽度の症状か、全く症状なし。
- 予防接種を受けていない高齢者は、感染すると重症化する危険性が高い。
*人口の1.5%が、ICUでの治療が必要、もしくは死亡したりする人の3分の2を占める。
これらより
- ワクチン接種を受けていない人を保護するために、ワクチン接種とは異なる安全管理措置を拡大する必要があり。
- 検査手順を簡素化。理解しやすく、遵守しやすいものに変更。
- COVID-19の免疫を高いレベルで維持するために、医療従事者や現場で働く人、施設で働く人、そして30歳以上のすべての人に追加接種を実施。
最新状況
- ワクチン接種率の高さ(83%の人が2回目の接種を完了)ため、大多数(98.8%)の症例は、軽度の症状・症状がない状態。
- 過去2週間で重症化した423例のうち、53.9%がワクチン未接種者、残りは合併症を持つワクチン接種者。
- ICUを必要とする人の数は、全体の症例数と同じ割合で、増加傾向。
- 過去2週間のICUでの新規症例数は51名(その前の2週間は、32名)。
- 病院のキャパシティは増えたものの、ベッドの稼働率は上昇しており、医療従事者の人員も不足。
HRP(ホームリカバリー・プログラム)10月10日から
登録基準の拡大
- 9月15日にHRPを開始して以来、19,000人以上が自宅で療養・うち8,000人以上が完全に回復して通常に戻っている。
- 国民がHRPに慣れ、医療従事者がHRP利用者の医療ニーズへの対応に慣れてきたこと。
よって
- HRPをより多くの人、特に症状の軽い人や症状のない人に拡大することが時宜にかなっている。
- 病院の医療資源をより優先的に重症患者や弱者のケアに充てることができ、症状の軽い、あるいは症状のない若年層へのケアが損なわれることはない。
- ワクチンを接種していない12歳から49歳までの患者については、重症度が低く、自宅療養が可能であることから、自宅療養を拡大。
- ワクチンを接種した70~79歳の感染者のこれまでの臨床観察結果と、そのような高齢者が不慣れな環境で転倒する危険性を考慮すると、慣れ親しんだ環境である自宅での回復がより安全であると考えられる。*10月16日から
- COVID-19が大多数の子どもたちにとって重篤な病気ではないことがわかったため、5歳から11歳の子どもたちにも基本的に自宅療養を拡大。
- 1歳から4歳のお子さんについては、病院で臨床的に自宅療養に適していると判断された場合には、今後も自宅療養を拡大していく予定。
例外 以下の人を除く
- 50歳以上のワクチン接種2回目を終えてない・またはワクチン未接種者
- ワクチンを接種した80歳以上の方
- 1歳未満の子ども、および臨床的に自宅療養に適さないと評価された1歳から4歳の子ども。
別紙Aを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/annex-a-(5).pdf
医療サポート
HRP中の人は、24時間の医療サポートを受けることが可能。
- 既存の遠隔医療提供業者(telemedicine providers)のほか、プログラムに参加している公衆衛生準備クリニック(PHPC Public Health Preparedness Clinics)やポリクリニックによる医療サポートのネットワークにより患者への継続的なケア。
- 医療面以外の支援については、Home Recovery Buddy Hotline(6874 4939)に連絡することが可能。
自宅療養から通常生活へ
感染者のウイルス量は時間の経過とともに減少し、検出不能または非感染のレベルになる。
これはワクチンを接種した人や幼児(ワクチンを接種していなくても)では、ワクチンを接種していない人よりも早く起こる。したがって、HRPに登録されたCOVID-19感染者は、さらなる検査を必要とせずに通常生活に戻ることが可能。
- ワクチンを接種した人と12歳以下の子供のHRP隔離期間は10日間。
- ワクチンを接種していない12歳より年上の人のHRP隔離期間は14日間。
隔離期間が終了した時点で退院通知が届く。
*PCR検査が陰性または低ウイルス量であることに基づくワクチン接種者の7日目の退院は取りやめ。
ワクチン差別化安全管理措置(VDS Vaccination-Differentiated Safe Management Measures)の適用範囲拡大について
- ホーカーセンター・小売店・ショッピングセンターなどは、COVID-19陽性者のかなりの割合が訪れる場所であり、その中にはワクチン未接種者も含まれており、後に重症化するケースもあり。
- 飲食店での外食については、既にVDSがあり。
- ワクチン未接種者を守り、医療システムの負担を軽減するために、10月13日からショッピングモール、アトラクション、ホーカーセンター、コーヒーショップへの入店時にVDSを拡大。
別紙Bを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/annex-b-(2).pdf
- ホーカーセンターやコーヒーショップでは、他の通常の飲食店と同様に、2名までの完全予防接種者のグループのみが食事をすることが可能。
- 上記の条件に当てはまらない人でも、料理の持ち帰りは可能。
- ショッピングモールやアトラクションへの入場は、完全にワクチンを接種した2人までのグループのみが可能。
- 12歳以下の子どもの場合、別紙Bをご参照ください。
教育現場
- 10月7日に発表されたとおり、教育省(MOE)は、10月11日(月)から初等部1~6年生を順次学校に戻し、対面式の授業を行うことで、学校教育を再開。
- 12歳以下の生徒を対象とした塾や私立教育機関(PEIs Private Education Institutions)での対面授業も、厳格な安全管理措置を講じた上で、10月11日から再開することが可能。
- しかしながら、12歳以下の生徒にサービスを提供しているセンターやPEIsは、青少年を保護するために、可能な限りオンラインでのレッスンを継続することを強く推奨。
テスト実施要項の更新
- テストと隔離のための実施要項と手順は、過去数ヶ月の間に作成され、複雑で理解しにくいものになった。
今後は、これらの手順を大幅に簡素化。 - 主な変更点は、PCR検査を主に体調不良や症状のある人に限定すること。
- 抗原迅速検査(ART Antigen rapid tests)は、検査センターでの検査や感染者の接触者の検査等、体調良好な者へ利用。感染を早期に発見し、自分自身や周囲の人を守るために、早期に自己隔離するという予防措置をとることができるようになる。
陽性の場合の実施要項の変更 10月11日から
簡素化された新しい実施要項は、以下の通り。
実施要項1
- 体調不良で陽性反応が出た人は、医師の診察を受けること。
- 自宅での療養が困難な場合は、適切な施設で療養。
- 完全にワクチンを接種している場合(または12歳以下の場合)は10日間、そうでない場合は14日間隔離。
- 隔離期間終了後、さらなる検査を必要とせずに通常生活へ。
実施要項2
- 健康状態が良好で、かつ検査で陽性と判定された人は、72時間は自宅で自己隔離。
- 72時間後に再検査を行い、陰性であれば隔離を解除して通常の活動に戻ること可能。具合が悪くなった場合は、医師の診察へ。
- これまでは、COVID-19の接触者を様々なリスクレベルに分類し、検疫命令(QO Quarantine Order)、健康リスク警告(HRA Health Risk Alert)、健康リスク警告(HRW Health Risk Warning)などだったが、今後は、ARTの自己診断に基づいて、発行日から7日間のHRWに統一。
実施要項3
- HRWの通知を受けた場合(1日目)、直ちに自己隔離を行い、HRW発行日にARTを用いて検査を行い、HRW通知の指示に基づいて1日目のART結果をアップロード。
- 検査が陰性であれば、その日は通常の活動を続けることが可能。
- それ以降の2日目から7日目は、外出する前に同日のART検査で陰性であることを確認(ARTテストのいずれかで陽性になった場合、実施要項2に移行)。
- 7日目にART検査を行い、陰性であればそれ以降の検査は必要ない。
別紙Cを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/default-document-library/annex-c-(2).pdf
現在、以前の実施要項に従っている人
いくつかの移行措置をとる必要があり。
- COVID-19の患者は、ワクチン接種の状況に応じて、10日間または14日間の隔離期間を終了。
- 現在、隔離命令を受けている方は、終了時でのPCR検査が不要。自分でARTを使って検査し、その結果が陰性であれば、その日は外出することが可能。7日目の終わりには、検疫を終了。 つまり、実施要項3に準拠。
自宅での定期的な自己検査をよりサポートするために、保健省(MOH)は、10月22日から12月7日まで、SingPostを利用して、ARTキットの配布。*各家庭には、10個のART自己診断キットが入ったパッケージ
海外渡航 実施要項の更新
国境措置の変更
- 国/地域のCOVID-19状況と国境措置の定期的な見直しの一環として、様々な分類の国のリストを更新し、いくつかの国/地域の分類にいくつかの調整を実施。
- 更新された国・地域の分類とそれに対応する国境措置の詳細は、別紙Dに記載されており、10月12日23:59時間以降の到着分から有効。
- 今後も世界情勢の変化に応じて、国境措置を調整予定。
別紙Dを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/annex-d-(2).pdf
ワクチン接種済の旅行者レーンの拡張
- 2021年9月8日、ブルネイとドイツとの間で、ワクチン接種者のシンガポールへの一般旅行の入国を認めるワクチン接種旅行レーン(VTL Vaccinated Travel Lanes)を開始。 *VTLでは、SHNに代わって、リスクの低い国を対象とした定期的な検査体制。
- 10月8日23:59時の時点で、シンガポールに入国した2,000人近いVTP保有者のうち、COVID-19の症例は2件のみ(いずれも到着時にCOVID陽性と判定され、直ちに隔離)。シンガポールでの3日目と7日目の到着後の検査では、輸入症例は検出なし。
- この経験をもとに、10月19日からシンガポールへの入国について、さらに8つのカテゴリーIIの国・地域(カナダ、デンマーク、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、英国、米国)にVTLを拡大する予定。2021年10月19日からのシンガポール入国に向けて、短期滞在者および長期滞在パス保持者の申請は、10月12日に開始。
- 2021年11月15日からの両国間の旅行のために、韓国とVTLを開始し、短期滞在者および長期滞在パス保持者のVTPの申請は11月8日から開始。
- ワクチンを接種済・帰国するシンガポール国民および永住権保持者は、VTLで渡航する際にVTP(Vaccinated Travel Pass)を申請する必要はない。
- すべてのVTL諸国に適用されるVTL検査体制にも変更を加える予定。
- 10月19日以降、VTLでシンガポールに入国するすべての旅行者は、シンガポールへの出発前48時間以内に実施されたCOVID-19 PCR検査の有効な陰性結果を提示し、シンガポール到着時に到着時PCR検査を受けることのみが求められる。
*シンガポール滞在中の3日目および7日目に追加のPCR検査を受ける必要はなし。
ブースターワクチン接種戦略の拡大
- 2021年10月3日、60歳以上の方に加えて、50歳から59歳の方を対象としたブースタープログラムを開始。*10月7日、約37万2,000人がブースター接種済。
- ブースター投与を受ける資格のある50~59歳の個人の57%、60歳以上の高齢者の72%が、予約をしているか、すでにブースター投与を接種済。
- 医療従事者・第一線で働く人・施設で働く人やスタッフ・30歳以上の人などにワクチンのブースター接種を受けるよう推奨。
別紙Eをご参照ください。
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/annex-e-(1).pdf
必ず最新の情報を入手して行動してください。