【三浦コラム】シンガポールにおける3月11日の震災の影響

 約1ヵ月前の3月11日、東北地方を中心に東日本に大きな被害を与えた震災が起きました。被害にあわれた皆様の悲しみ・ご苦労は想像を絶するものだと、遠く離れたシンガポールからではありますが、痛みを感じております。
 皆様の一刻も早い、生活の立て直しと心の平安が来る事を望んでいます。
 
 私達離れた外国に住む日本人としては、自らの業務を励む事によって、少しでも日本全体の復興の役に立てればと考えております。

 今回の震災が外国に与えた影響は大きなものがあったと思えます。私自身がここシンガポールで目にする事、感じた事を今回は書き連ねてみたいと考えます。

 地震と津波という自然災害に関しては、私自身も15人くらいのこちらの人からすぐに連絡があり、家族は大丈夫か?とかの心配をしてもらいました。シンガポールも国家・国民あげて同情的であり、各所でチャリティなどの催しが開かれています。
miuraapr11 当地に住む日本人もシンガポール人の好意的な態度などに感激した方も多いのではないでしょうか?
 また、災害にあった日本人の冷静な対応に賞賛の声があがった事なども、最近多かった否定的な日本人像と反し、日本人が持つ能力として自信を持っていいのかもしれません。

 反面、原発事故はここシンガポールにも暗い影を落としています。

 野菜や果物などを中心とした県単位での輸入禁止(すべての県が輸入禁止になったわけではありません。しかしながら、現物の野菜が実際は他県のものであったにも関わらず、申請書類の不備で輸入が禁止された愛媛県の例もありますので細心の注意が必要です)。
 ここシンガポールでも例外ではなく、日本食レストランの客足が落ちた事(特に高級レストランにその傾向が強く出ていると聞いています)。
 それに加えて、日本行きの出張や観光が激減した事。

 見通しが立たない原発事故への対応について、海外からは厳しい目で見られているという事を、外国に住むとひしひしと感じます。
 日本の指導者に海外からどう見られているのかについての視点が欠けているのは、悲しいものです。

 今こそ、ひとりひとりが改めて海外に視野を向けて、外から日本を見る視点を持ってみてはいかがでしょうか?
 日本の中だけでは見えない何かが見えてくるかもしれません。
 ひいては、それが日本にいても、グローバルな考えを持ちうる方法となるかもしれません。

 色々なデマが日本と言わず、世界にも出回っています。
 それに流される事なく、ひとつひとつを吟味し、これからも外国で進出する皆様のサポートを続けていきたいと考えております。