【三浦コラム】シンガポールの出生率をあげる政策について

 近年出生率の低下から、日本の人口減少が話題になっていますが、 ここシンガポールは出生率(合計特殊出生率Fertility Rateは 2011年1.2%)と日本を下回る低さとなっています。
 今年1月21日に、政府から出生率を押し上げる方策が出ました。

 簡単ですが、抜粋しますと以下になります。
・公共住宅取得
16歳未満の子供を持つ両親で最初のHDBフラット購入に関して、一定枠を優先的に確約(13年1月から)。
・医療費補助金(不妊治療)
*シンガポール人同士、シンガポール人と永住権保持者、シンガポール人と外国人で補助率が異なる(13年1月から)。
・新生児お祝金、医療費
最初の子供(6,000ドル)、2番目の子供(6,000ドル)、3番目の子供(8,000ドル)と増額。
全ての新生児に3,000ドルのCPF(Medisave)アカウントへ振り込み(13年8月26日から)。
新生児の先天的疾患にMediShield適応(13年3月1日から)
・親の労働条件サポート
チャイルド・ケア休暇設定=7歳から12歳までの子供を持つ両親に、1年に2日間(政府が給与支払い)(13年5月1日から)。
結婚した婦人が養子を持つ場合(条件あり)、4週間の養子縁組休暇(政府が給与支払い)
契約で働いている女性には、妊娠を理由に不利な査定を禁止(13年5月1日から)。
・父親の出産休暇
働く父親は(自営業を含み)に1週間の出産休暇(政府が給与支払い)。
オプションとして、16週間の母親の出産休暇から1週間移し、父親がその分有給休暇を得る事が出来る(13年5月1日から)。

miurafeb13 上記の内、経営者にとっては、男性の育児休暇はちょっと予想を立てづらいかもしれません。

 周りの子供を持つシンガポール人に、この効果の程を聞きますと、教育費という視点が抜けているのでは?との事。教育熱が盛んなシンガポールでは、家庭教師などの費用もけっしておろそかにできない為に、もう1人子供をというハードルはかなり高そうです。

 とは言え、実際やってみるというのはここシンガポールのいいところです。効果が出てくるのは、ちょっと時間が経ってからだと思われます。

 先日発表された人口白書にも関わる出生率対策です。
 この先のシンガポールの社会を見ていくに、大事な視点だと思われます。注意深く見ていきたいところです。