【三浦コラム】ナショナル・ディ・パレード(建国記念日パレード)に思う事
シンガポールは、この8月9日が48回目の建国記念日で、 1965年のマレーシアからの分離独立から、もうすぐ半世紀になろうとしています。
既に、建国の父とも言われるリー・クワンユー元首相を除いた、建国の功労者の政治家は多くが鬼籍に入ってしまいました。政治家のみならず、シンガポール人の世代交代がなされる中、またこの日がやってきます。
建国の日は、夕方から夜にかけてナショナル・ディ・パレードという一大記念行事が行われます。 あまりこの様な国家をあげてのお祝い事は、現在の日本では目にする機会はないでしょう。
そういう中、思い返しますと、以前程シンガポール国旗のHDBフラットでの掲揚が多くない様な気がします。また、以前はその年の歌が発表されて、MRTなどでも流されて、よく耳にしたものですが、近年はあまりその様にどこに行っても耳にするといった風でもありません。
パレードで使われる戦車などの為か、過去に日本の新聞報道で軍事パレードと紹介される事もありましたが、その事に違和感を思う在シンガポール邦人の方も多いのではないでしょうか?今は一種の建国を祝うお祭り的な要素が強く出ています(実際ショーの要素が多く盛り込まれています)。
以前は確かに開催する方には、国民にシンガポール人という意識を国民に持ってもらうという意図―国民意識の高揚があったのかも知れませんが、近年の様子を伺うと、お祝の場としてのイベントという要素を多く感じます。
これらはある意味、シンガポール人という意識が国民に根付いてきたのがその理由でもないかと思えます(ちなみに政府統計によると、建国の1965年以降に生まれた国民の割合は既に60%を超えています)。
さて、当日はパレードの様子がTVでも放送されます。 シンガポールに来られて初めて建国の日を迎える方は、TVでその内容を見るのもいいかも知れません。
もしくは、人混みが気にならないのであれば、マリーナベイに行ってヘリコプターに吊るされて現れる国旗・ブルーインパルスの様な複数の戦闘機の出現・空挺部隊による落下傘降下を眺めるのも、興味深いかもしれません。
見逃せないのは、シンガポールでも味わえる花火の数々です。
また、ナショナル・ディ・パレードのショーの中身は、シンガポール建国に関わる内容を踏まえた内容が多いので、私達外国人がシンガポールについて興味を持つ、いい機会なのかも知れません。