【三浦コラム】シンガポールの次期首相候補について
先日、与党PAPの役員人事が発表され、書記長第1補佐に(1st Assistant Secretary-General)にヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)氏が就任しました。
その結果から、次期首相の最有力候補は財務大臣だということが明確になりました。
このことは日本のマスコミ報道から、既に知っている方も多いことでしょう。
シンガポール次期首相、ヘン財務相に=数年後就任の見込み
シンガポールの次期首相にヘン・スイキャット財務相(57)が就任することが23日、ほぼ確定的となった。
与党・人民行動党(PAP)はこの日、新中央執行委員らの会合を開き、書記長第1補佐に同財務相を任命した。
今回同ポストに就く人物は書記長のリー・シェンロン首相(66)の後継者とみられている。
次回の選挙後に、首相の交代が行われると言われています。
次期首相が明確になったこと・財務大臣が選ばれたことに関して、一般国民の反応はどうだろうと考え、シンガポール人複数にその感想をたずねてみました。
私の周りのシンガポール人は、当然のことのように冷静にその事実を受け入れているようでした。
突っ込んだ書き方をすると、意外性はなかったというところでしょうか。
大病で倒れたことがある財務大臣ですが、その後遺症はなく、日々の業務を行われているようです。
また、他の首相候補と言われた政治家よりも、いくぶん年上であることも安心感を与えたのかもしれません。
誰にも利がない党の分裂などというようなドラスチックなことがない限り、シンガポールの与党PAPが選挙で野党になることなど考えられず、安定した引継ぎが行われるのではないかと予想できます。
過去の選挙結果 Elections Department Singapore
課題は山積みです。
シンガポールは、先進国特有の問題に直面しています。
高齢化・産業の空洞化などを、どう乗り越えていくか?
難問も多いことでしょう。
しかしながら、マレーシアから追い出されるようにして独立したシンガポールです。
その後の困難を乗り越えてきたシンガポールは、小さい国だからできること・可能性を追求して、これからも世界にその存在価値を知らしめると思えます。
新たな時代がもうすぐそこまで来ていると、改めて思えました。
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