【三浦コラム】シンガポールの住居について

 海外に住むにあたって不安のひとつは住環境だと思われます。
 今回はシンガポールの住宅という視点で考えてみます。

 シンガポールでは国民の80%以上がHDBフラットと言われる国の管理下にある公団住宅に居を構えています。近年はコンドミニアムを購入し、住んでいる人も増えてきているようですが、多くの国民は通常HDBフラットを購入し、そこに住んでいます。

 では、外国人である私達日本人はどのようなところに住んでいるのでしょうか?
 まず一番多いと思われる企業の駐在員とその家族の場合、コンドミニアムが一般的です。
 次に現地採用の日本人、独身の場合は、通常数人でコンドミニアム、アパートやHDBフラットをシェアーして住んでいるようです(HDBフラットの小さいユニットはおひとりの場合も、また外資系で給与が高い方はコンドミニアムにおひとりで住んでいるパターンも)。夫婦の場合は、上記のいずれかを1ユニット借りて住んでいるケースが見受けられます。
 シンガポール人と結婚されている方、起業されている方などを中心とした、いわゆる定住組は物件の購入をされているケースが多いようです。
(コンドミニアムは、門にガードマンが常駐しており、敷地内にプール・ジム・BBQピットなどがついています。アパートはその施設がないもので簡潔な造りとお考えください。)

miurajune10 地区的には、やはりシティエリアは手狭な割に高額な家賃。郊外に離れ、交通の便が悪くなるにつれてその価格も下がります。シティ中心街に近い、MRT沿線徒歩圏内は人気がある為に家賃も割高になります。
また、コンドミニアムの近年の物件はユニットのサイズが小さくなってきています。

 若干経理的なことに触れておきますと、
駐在員の方は、家賃が給与の一部として所得税対象となります。また、契約を会社名義でするか個人名義にするかによっても、税金計算の査定対象金額が異なります(個人契約の場合ですと、100%家賃分が計上、会社名義ですと家賃分もしくは年収の10%、いずれか低い方が税対象になります)。

 購入に関しては、外国人(EP保持者)が買える住宅は、コンドミニアムと6F以上を有するアパートです。HDBフラット購入は、夫婦で両方がPR保持者である必要があります(この場合、夫婦でなく兄弟でも良いようですが、いずれにしても2名ともにPR保持者または、片方がシンガポール人でないといけません(例外あり)。
 なお、レギュレーションの詳細は変更の可能性がありますので、購入時のレギュレーションは必ず確認する必要があります。

 スモールビジネスの方はご自宅をオフィスとして登録している場合もあります(HDBフラットは申請義務あり)が、制限等もありますので注意が必要です。その点を注意する必要はあるものの、オフィスの賃料が高額なシンガポールでは事業のスタートアップでは有効な手段と思えます。

 自分の収入とライフスタイルに合わせて住宅は選びたいものです。
 シンガポールの住居選びは各種選択の余地があり、購入に関しては資産形成の一部としても考えることも可能なのかもしれません。