【三浦コラム】シンガポールでの車の所有について

 先日、シンガポールに住み始めて、初めて大きな事故にあいました。幸いきちんとシートベルトをしていた事もあり、怪我をしたものの他人に怪我させる事なく、助かりました。
 シンガポールの運転マナーは、残念ながらお世辞にもいいものだとは言えません。路肩が狭い一般路で急停車する車にひやりとしたり、ウィンカーを点滅させずにいきなり右左折する事も多く見られます。高速での数台での玉突き事故も車間距離を十分に取っていない為に起きているのでは?と思えます。
 私自身、気をつけてはいたものの、今回自分が事故にあった為、車の怖さを感じました。便利な半面、凶器にもなるのだなとの実感です。

 この事故を契機にこの国での車所有という事を改めて考えさせられました。

miurasep10 最近は昔と比べて、会社の駐在員に対しての、車支給の割合は減ってきています。
 これは車の所有・維持管理(メインテナンス料金、ガソリン代、ERP料金、駐車料金を含む)がシンガポールではかなり高価なものである事、そしてMRTやバスなどの公共交通機関の利便さと安全さなどが、その理由として考えられます。MRTやバスは、ez‐linkカードで以前より簡単に利用できるようになりました(一部タクシーでも利用可能)。
 また、タクシー料金が安価である事も見逃せません。

 社用車について、少しばかり詳細に触れますと、98年4月に法人登録車(Qナンバー)の扱いがなくなり、すべて個人登録車(Sナンバー)となりました。これにより、法人税上の減価償却費およびその他の関係費用は一切損金に算入されなくなりました。同時期にレンタカーの関係費用も同様に一切損金に算入されなくなりました。
 会計上は経費として考えられるものの、税務上損金とできない事は、車の会社所有が経営に重荷になると思って間違いありません。
 もしかしましたら、この事も会社の駐在員への車支給が減った理由のひとつかもしれません。

 車の個人所有、はたしてご自身の生活に必要なのかどうか問うてみる必要があるでしょう(個人所有するのは主に駐在員以外の方々と思われます)。
 前に書きましたコラム「シンガポールの生活費は?」で、車所有について触れましたが、月々の負担が確実に増えます。シンガポールの治安の良さや公共交通網の発展から、無理をしてまでも車を所有する必要はないかもしれません(もちろん仕事で必要な場合は別です。私も必要性に迫られ、再度購入した一人です)。

 車所有については、コストを重視されるのか?利用価値を重視されるのか?
 ぜひ、そのお仕事と生活スタイル、そして収入などを考慮に入れてご検討ください。