【お知らせ】シンガポールの新型コロナウィルス(COVID-19)対策 オミクロン変異株の流行に備えて(ブースター接種年齢拡大、VTLルールの変更など)

オミクロン変異株の患者数の増加に備えて、2022年1月21日にシンガポール厚生省から新たな発表がありました。
以下、発表内容をまとめました。
必ず、原文と照らし合わせてご参考ください。

発表要旨

  • オミクロンの患者数は、先週からより急激に増加するも、高いワクチン接種率/ブースター摂取/安全管理措置(Safe Management Measures SMM)により、重症例は少ないまま。
  • オミクロンはデルタよりも感染力が強いため、今後数週間でさらに感染者が急増すると予想され、他国で見られたように、感染者数が多くなると、マンパワーの確保が難しく、医療制度に大きな圧力。
  • 企業は、SMMを厳守し、労働者に定期的な検査を奨励することで、感染を抑え、業務の中断を最小限にする必要があり。
  • 今後数週間は、オミクロンの波を乗り切るために、医療の能力と弱い立場の高齢者を守ることが非常に重要。そのため、今後4週間、病棟や住宅型有料老人ホーム(以下、ホーム)への訪問を一時的に停止。
  • 今後数週間のうちに、プロトコル2の適用範囲をさらに広げ、より多くの患者グループを順次取り込んでいく。
  • オミクロンの感染期間が短いことを踏まえ、ワクチン完全接種者のプロトコル1の隔離期間を10日間から7日間に短縮する予定。
  • ワクチン接種渡航Vaccinated Travel Lane (VTL)の検査体制(2021年12月初旬に導入された現在の体制)を更新。
  • ブースタープログラムを12歳から17歳の個人にも拡大。
  • 2022年2月14日から、18歳以上の人はCOVID-19ワクチンの一次シリーズの最終接種から270日間だけ完全接種とみなされることを発表済み(その後、完全接種の状態を維持するためには、ブースターを接種する必要があり)。12歳から17歳については、2022年3月14日以降に期限が設定される予定。

現在の状況について

  • COVID-19の状況は、依然としてコントロール下。
  • ICUの人数は2022年1月20日現在14人と低水準。先週毎日約800件あったPCR陽性患者が、2022年1月20日には1,472件となり、輸入患者339件に対し市中患者が1,133件と大多数を占め、増加。
  • プロトコル2の使用拡大に伴い、抗原迅速検査(Antigen Rapid Tests  ART)で陽性となる患者数が増加。この1週間、医療機関では1日平均約800人の患者がART陽性と判定。PCR検査に代わるART検査の普及に伴い、医療機関で毎日受診したART陽性患者数をPCR陽性患者数とともに公表。
  • 感染力の強いオミクロンの波が地域社会に広がるにつれ、感染者数が急増することが予想。感染者数は2〜3日ごとに倍増し、1日あたり1万〜1万5千人、あるいはそれ以上に達する可能性あり。しかし、海外や現地のデータでは、オミクロンはデルタに比べて重症化しにくいことが判明。
  • オミクロンの重症度が低いことを考えると、症例数ではなくICUでの治療数に注目。
  • オミクロンは感染力が強いので、全体の患者数が急増すれば、病院やICUへの入院が手に負えないレベルになる可能性あり。
  • 特に高齢者のワクチン未接種者が、今後重症者の多くを占めると考えられる。

別紙Aを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/default-document-library/mtf-21012022_annex-a0998a282fd8c4a2aa3ce3c0a2a2163e5.pdf

重要なサービスを守り、患者と医療従事者を保護するために

  • オミクロンの波をすでに経験した他の国々のように、従業員の感染者が増加すると、事業運営に支障をきたす可能性があり。たとえ感染しても症状が軽い・ない場合でも、従業員を隔離する必要があるため、欠勤率が非常に高くなる。
  • 企業、特に生活に不可欠なサービスを提供している企業は、チーム分けなどの事業継続計画をしっかりと立て、職場の安全管理措置(SMM)を厳守し、感染を最小限に抑える必要あり。職場に復帰する人は、定期的に自己検査をすること。体調不良の場合は、医師の診察を受け、職場への立ち入りを避けること。
  • 患者や医療従事者、特に弱者がいる職場を守るため、2022年1月24日から2月20日の4週間、すべての病院の病棟および在宅介護施設(以下、ホーム)への訪問を停止。この期間中、病院とホームは、患者・入居者が重篤な状態にある場合など、例外的に面会を許可する裁量権を持つ。訪問者は、訪問者管理措置の対象。

別紙Bを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/default-document-library/mtf-21012022_annex-b.pdf

  • 患者/入居者が大切な人とのつながりを保てるよう、病院と施設は電話やビデオ通話などの代替コミュニケーション手段を引き続きサポート。

患者の適正配置と医療プロトコルの合理化

  • オミクロン感染症のウイルス量は、感染期間を通じてデルタ感染症より低いこと/オミクロンの感染期間が短いことを考慮し、プロトコル1・2ともに、完全なワクチン接種者と12歳以下の小児の最大隔離期間を10日から7日に短縮。なお、12歳以上のワクチン未接種者の最大隔離期間は、プロトコル1・2ともに14日に据え置き。
  • 2022年1月6日以降、COVID-19感染者の症状の重症度や個々のリスク要因に基づいた管理に重点。
  • 症状が軽い低リスクの方は、医療従事者が実施する抗原迅速検査(ART)により初期診断医師が直ちに診断し、プロトコル2のもとで安全に回復することが可能に。
  • 医師から高リスク(高齢、妊娠、小児、免疫不全の状態など)と判断された人、または重い症状(例:胸痛、息切れ、長引く発熱など)の人は、プロトコル1。これらの高リスクの患者は、保健省(MOH)の自宅療養プログラム、もしくは療養施設での療養となるか振り分け判断。
  • 低リスクの無症状患者(自己ARTで陽性となった患者を含む)は、引き続きプロトコル2。
  • より多くの患者に、プロトコル2の適用を拡大。
  • プロトコル2の適用対象年齢を拡大(接種状況に関わらず5歳から11歳の小児を対象に)。小児を含む緊急性のない症状の方は、病院での治療を避け、初期対応医師に。
    ART陽性で、潜在的なリスク(付属文書C参照)がある人は、たとえ体調が良くても、医師の診断を受けること。

別紙Cを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/default-document-library/mtf-21012022_annex-c.pdf

  • プロトコル 1適応でも順調に回復し、症状が改善された患者には、プロトコル 2 への移行をスムーズに行うことを許可。陽性になった後,72時間以上経過してから自分で行うART検査で陰性になれば,早期に退院して通常の活動に復帰することが可能。
  • COVID治療施設などのプロトコル1の施設にいる低リスクの無症状者、出発前検査(Pre-departure Tests  PDT)、イベント前検査(Pre-event Testing  PET)、登録制定期検査(Rostered Routine Testing  RRT)、入国者の義務検査(到着時検査=On-arrival Tests  OATや自宅待機期間Stay-Home Notice (SHN)終了時の検査など)で陽性となった人は、その病状から判断して、今後数週間で順次プロトコル2が適用される予定。

国境措置の更新

  • 2021年12月31日、オミクロン輸入症例の検出を促進し、市中感染の広がりを遅らせるため、VTL経由で到着する旅行者の7日間の検査体制を強化し、4週間延長することを発表したが、輸入症例が全体の症例に占める割合は減少しているため、VTL検査体制は簡素化。
  • 2022年1月23日2359時間以降に空路・陸路でシンガポールに入国するVTL入国者は、到着後2日目から7日目までは、居住地や宿泊地を離れる必要がある場合に限り、自己管理によるARTを行う必要があり。入国者はARTの結果を提出する必要はなし(外出前に陰性であることを確認する必要あり)。
  • 2022年1月23日2359時間以前に到着したVTL渡航者は、引き続き既存の検査体制(すなわち、到着から2日目、4日目、5日目、6日目はオンラインで結果を提出する監視なしの自己ART、3日目と7日目は管理者付きのART)を継続する必要あり。
  • ART検査(VTL-Landの到着時検査と2~7日目の自己ART)で陽性となった入国者は、確認のPCR検査を受ける必要はなく、プロトコル2にもとづく。ただし、(付属書Cに規定されている)潜在的にリスクがある人は、陽性判定後に体調が良くても医師の診断を受けておくこと。
  • シンガポール入国時のVTL航空・バスチケットの50%制限を当面継続。

最近回復した旅行者の旅行を容易にするために

  • 世界的な患者数の増加に伴い、COVID-19から回復したばかりの旅行者が増加。
    このような旅行者は、回復した後も非感染性のウイルス断片を排出し続けるため、感染リスクがないにもかかわらず、COVID-19の検査で陽性となることあり。
  • 2022年1月23日2359時以降に到着する旅行者で、完全なワクチン接種者で最近回復した(感染から90日以内)人は、適切な証明書類を提供できる場合、すべての検査とSHN要件が免除。
    完全な予防接種を受けていない回復期の旅行者は、出国前の検査要件が免除(その他の一般的な国境措置はすべて適用)。

別紙Dを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/default-document-library/mtf-21012022_annex-d.pdf

国境措置の定期的な見直し

  • シンガポールへの旅行における安全な旅行レーンおよび各レーンにおけるカテゴリー別の一般的な国境措置は、セーフトラベルのウェブサイトにて更新。https://safetravel.ica.gov.sg/

予防接種とブースターによる保護強化

  • 予防接種、特にブースターは、オミクロンに対する実質的な防御力を保持することを保証。
  • KK Women and Children’s Hospitalが5歳から11歳の小児150人を対象に行ったCOVID-19ワクチン接種試験の50例の中間解析では、Pfizer-BioNTech/ Comirnatyの小児用ワクチンを2回接種したところ、全員が高い抗体価を獲得。接種後の副反応は年長者に比べて低く、これまでに診察や入院を必要とするものはなし。
    5歳から11歳のすべての子どもたちがワクチン接種を推奨。

ブースターワクチン接種プログラムの12歳から17歳への拡大について

  • 18歳以上のすべての人に、国家予防接種プログラムで提供されるmRNAワクチンのブースター投与を、一次接種終了後5カ月に受けるよう推奨。この推奨は、12歳から17歳の人にも拡大。
    2022年2月上旬より、16歳、17歳の人から順次ブースター接種を案内し、12歳~15歳の方にも案内する予定。
  • 12歳から17歳の人は、予約の際に保護者の方の同意が必要。
    保護者には、1次接種の際に登録した携帯電話番号に、個別の予約リンクが記載されたSMSが送られ、同意を得た上でブースター接種の予約が可能。
    Pfizer-BioNTech/ Comirnatyワクチンを提供しているどの予防接種センターでも接種を受けることが可能。学生証、またはそれがない場合は他の身分証明書(例:出生証明書/パスポート/SingPass)を持参のこと。
  • 13歳以上の児童・生徒の保護者は、予防接種当日の同伴は必要なし。ただし、12歳の児童・生徒および特殊教育(Special Education  SPED)学校の生徒は、保護者の同伴が必要。
  • 12歳から17歳で、医学的にPfizer-BioNTech/ Comirnatyワクチンに不適格な人には、公衆衛生プログラムのもと、Sinovac-CoronaVacのブースター接種が行われる予定。このプログラムは、5歳から11歳の子どもたちにも拡大。

ブースター接種要件の拡大

  • 前回発表したとおり、2022年2月14日より、一次接種シリーズを終了した18歳以上の人で、ブースター接種の対象となる人は、一次接種シリーズの最終接種から270日間完全接種。ブースター接種後は、引き続きワクチン接種の状態が維持。
  • 2022年3月14日から、ブースター接種の対象が直ちに拡大されるのに伴い、12歳から17歳の人も、同様の措置。
  • COVID-19から回復し、一次シリーズのワクチン接種を完了した人は、現時点では追加のブースター接種必要なし。2022年2月14日以降も引き続き完全なワクチン接種とみなされます。ただし、前回の接種から5か月以降にブースター接種を受けても問題なし。

2022年2月14日以降もワクチン接種済みであることを維持するため

  • ブースター接種対象の12歳以上の方は、一次接種の最終接種から9か月を超えるまでにブースター接種が必要(Sinovac-CoronaVacワクチンは、医学的にmRNAワクチンの接種をできないとされている人がブースターとして使用する場合にのみ)。
  • 3回接種の1次予防接種シリーズとしてSinovac-CoronaVacワクチン・Sinopharmワクチンを2回以上接種した者は、ブースターとしてmRNAワクチンを1回接種することが強く推奨。
  1. 一次接種3回シリーズの3回目にmRNAワクチンを接種した人は、その後5カ月程度でブースターを接種。
  2. シノバック・コロナバック・シノファームの3回接種をすべて受けた人は、3回目の接種で生成される抗体レベルが低いため、その後3ヶ月でブースター。

旧正月祝祭期間中の注意事項

  • 家庭訪問:許容人数は5名。1世帯あたりの訪問者数は1日5名まで。
  • 飲食店での食事:飲食店での一般的な規則が引き続き適用。5名までとし、それを超える複数テーブルの予約は、同一世帯の人を除き、不許可。
  • 大規模なイベント、宗教的または慣習的なもの、宴会(会社主催の食事会など)などは、引き続き不許可。

詳細は、シンガポール厚生省のプレスリリースをご参考にしてください。
FOCUSING OUR RESOURCES AND REFINING OUR HEALTHCARE PROTOCOLS TO DEAL WITH THE OMICRON WAVE
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/focusing-our-resources-and-refining-our-healthcare-protocols-to-deal-with-the-omicron-wave