【お知らせ】シンガポールの新型コロナウィルス(COVID-19)対策 大幅規制緩和発表

3月24日はリー首相が大幅な規制緩和についてスピーチを行いました。

内容は、下記(シンガポール首相府ウェブサイトご参照)
https://www.pmo.gov.sg/Newsroom/PM-Lee-Hsien-Loong-on-COVID-19-A-New-Phase-on-24-Mar-2022

その後に具体的な内容が発表されました。

今回の規制緩和は今までにないものであり、長いトンネルの先に光が見えるような気持ちを感じます。

以下、発表内容をまとめました。
必ず、原文と照らし合わせてご参考ください。

発表趣旨

  • 安全管理措置(Safe Management Measures  SMM)1~5の枠組みが導入されて1週間以上が経過。
  • 患者数および入院数は着実に減少。全体的な状況は大きく改善。COVID-19と共存し、さらに前進できる状況にあり。
  • 安全管理措置の緩和と同時に、ワクチン接種済みの旅行者が、ワクチン接種済み渡航(Vaccinated Travel Lanes  VTL)によらず、検疫(隔離期間)なしでシンガポールに入国できる方向に移行。旅行の再開を促進。
  • COVID-19によって重症化するリスクの高い社会的弱者を十分に保護することが必要。80歳以上の高齢者、高齢者施設入居者、合併症を持つ医療弱者に対して、2回目のブースター接種。2回目の接種は、1回目の接種から5ヵ月後。

現状について

一日の患者数およびCOVID-19による入院数は、先週から着実に減少。
1日の患者数は、約13,000人から10,000人未満に。入院者数1,238人から951人に減少。重症化の発生率も低いまま。過去28日間で、ICUでの治療が必要だったのは0.04%、酸素補給が必要だったのは0.3%。

市中SMMについて

SMM 1-5 の枠組みは、5 つ
この5つの枠組みに沿ってSMMを緩和予定。
2022年3月29日から、以下の緩和を実施。

別紙Aを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/mtf-pr-annex-a.pdf

  • グループサイズ

許容されるグループサイズは、マスクなしで5人から10人に。
また、1世帯あたりの訪問者数の上限も5人から10人に。

  • マスク着用

外出時のマスク着用は、これまで通り屋内では必須、屋外では任意(人混みでは屋外でもマスクを着用することを推奨)。
屋内とは、オフィスビル、ショッピングモール、公共交通機関(電車やバスで通勤する場合)など、出入り口が明確に定義されている建物/場所すべて(ホーカーセンターやコーヒーショップも含む)。HDBの共用デッキ、店舗ブロックの通路、バス停、バス停など、一般に開放されている場所は、屋外。

別紙Bを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/mtf-pr-annex-b.pdf

  • 職場要件

在宅勤務が可能な従業員の75%までが職場に復帰可能(現行の50%の制限から引き上げ)。

  • 安全な距離(セーフディスタンス)

マスク着用時の個人間・グループ間の安全な距離の取り方は、引き続き推奨されるが義務でない。
マスクなしでは、引き続き1メートルの安全な距離が必要。
ただし、マスクをしていても大勢が集まることは避けること。そのため、以下のように定員制限。

  • 定員制限
  • 1,000人を超える大規模イベント・舞台の定員制限を50%から75%に引き上げ。
  • 1,000人以下の小規模な設定/イベントについては、定員制限なし。

1,000名を超える大規模なイベント(マスク着用)の場合、会場の収容人数の75%以内で運営することが条件。
マスクなしイベントの場合、一般的なグループサイズまでの個人またはグループは、1メートルの安全距離の要件に準拠する必要があり。

別紙Cを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/mtf-pr-annex-c.pdf

その他

SMM1~5の緩和に伴い、2022年3月29日から以下も実施。

  • 飲食店での食事

ホーカーセンターやコーヒーショップを含む飲食店では、入口で完全予防接種区別SMM(Full Vaccination-Differentiated SMMs VDS) チェックが実施されている場合、ワクチン接種完了10名までの団体の飲食が許可。
飲食店経営者の業務負担を軽減するため、すべての飲食店において、入口での完全なVDSチェックを必要とせず、完全接種者5名までの少人数での着席を許可。

  • アルコール消費

現在、飲食店では午後10時30分以降のアルコールの販売・消費が制限撤廃。

  • ライブパフォーマンスとプログラムの上映

飲食店を含むすべての会場で、ライブパフォーマンスを再開可能。
屋外でのライブパフォーマンスや路上ライブ(大道芸)も再開可能。
ただし、SMM1-5で規定されている「マスクなし人数は10名まで」。
また、飲食店での生放送番組や録音されたエンターテイメントの上映も制限も解除。

  • 声を出す活動

集団でのこの活動は感染の危険性が高いとして、強い反対の立場だったが、現在は状況が変わってきており、制限を緩和。
発声中はマスクを着用することを条件に、大人数による発声を伴う以下の活動を許可。

  • 宗教上の歌唱と聖歌
  • イベントでの観客、観覧者、参加者による声援
  • 学校を含む一般的な場での歌唱
  • 交流会、大規模な懇親会

ガラディナー、ディナー&ダンスイベント(D&D)、誕生日会、記念日など、大規模な社交行事やイベントは不許可だったところ条件つきで許可。
イベントの主催者は、現行のSMM1-5を遵守する必要あり。
1テーブルあたり10人以下とし、テーブルとテーブルの間は1mの安全距離を保つ必要。
参加者は引き続き慎重かつ自制し、交流は同じ席のグループ内に限定。

*バー、パブ、カラオケ、ディスコ、ナイトクラブなどのナイトライフ事業の安全な再開については、別途検討中。

幼児の読み書きの支援と学習

現在、6歳以上の子どもには外出時のマスク着用が義務付けられ、6歳未満の子どもには他者との交流がある場合にマスクを着用することが強く推奨。
これはCOVID-19の感染予防になる一方で、特に聞き取りや学習に困難がある子どもたちにとっては、言葉や読み書きの能力を伸ばすことが難しくなる可能性あり。
学校、プリスクール、早期介入センターの特定のグループの教師と生徒に対し、言語と読み書きのレッスン中にマスクを外す選択を提供し、子どもたちの学習と発達ニーズをよりよくサポートする予定。

ドミトリーに住む外国人労働者の SMM の合理化

寮に住む外国人労働者の SMM を、最新の市中SMM と合致。

2022 年 4 月 1 日から、ワクチン接種を受けた外国人労働者は、レクリエーション・センター(RC)に行くための Exit Passes を申請する必要なし。
ワクチン未接種の外国人労働者のみ、引き続きExit Passesを申請し、RCを訪問する前に訪問前にART検査をパスする必要あり。
市内外出については、ワクチン接種済みの外国人労働者、平日は3,000人・週末と祝日は6,000人から、それぞれ15,000人・30,000人に増やしていたが、この枠は変わりなしも、訪問前のART検査は不要。
ワクチン未接種の外国人労働者の市中外出はこれまで通り禁止。

定期検査(Rostered Routine Testing:RRT)体制の中止について

以前、RRTを弱者グループと特定の必須サービス部門にのみ適用するよう合理化済み。

2022年3月29日から、すべての業種のRRTを停止。
これに伴い、RRTを実施している企業に対する政府の補助金も2022年3月29日に終了する予定。
なお、職場で定期的に費用を負担して検査を実施することを希望する事業主や企業は、引き続き実施することが可能。
個人は、体調が悪いときや最近感染者と接触したときに自己検査を行い、陽性反応が出た場合は必要な医療手順に従うことが引き続き奨励。
企業は、従業員がCOVIDに感染した場合、診断書や快復証明を必要とせず、引き続き自宅での休養を許可する必要あり。

プロトコル2を12ヶ月~2歳の患者に拡大

3歳から69歳の感染者は、大多数が自力で安全に回復できることから、ワクチン接種の有無にかかわらず、第2プロトコルで自宅療養。
臨床データによると、12カ月から2歳の年齢層の子どもたちもほとんどが軽い症状で、地域で何事もなく回復のため、対象年齢帯を拡大。
2022年3月25日以降、12ヶ月から2歳の患者もプロトコル2のもとで、在宅または初期診断医師や小児科医のもとで管理。

別紙Dを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/mtf-pr-annex-d.pdf

ワクチン接種済み旅行フレームワークへの移行

この数ヶ月間、国・地域の区分と国境措置を簡素化し、より多くのワクチン接種を受けた旅行者へ国境をオープン。
多くの国・地域がオミクロンのピークを過ぎ、COVID-19の状況も安定したため、
短期滞在者(Short-Term Visitors STV)を含むすべての旅行者を対象としたワクチン接種済み旅行フレームワークを開始する準備完了。
すべての国・地域を「一般旅行者」または「制限付き旅行者」に分類し、個々の旅行者のワクチン接種状況によって国境措置を取り決める予定。

すべての国・地域は、まず一般旅行者カテゴリーに分類。現在、旅行制限カテゴリーに該当する国・地域はなし。

  • 一般旅行者カテゴリー 国境措置

2022年3月31日23:59時以降、一般旅行カテゴリーに属する国・地域から航空便または海上チェックポイントを経由して到着する旅行者の国境措置は以下。

ワクチン接種完了の旅行者、ワクチン接種を受けていない12歳以下の子どもは、シンガポールへの入国を許可。
入国許可の申請や指定のVTL便を利用する必要なし。
シンガポールへの出発前2日以内に出発前検査(PDT)はあるものの、シンガポール到着後にStay-Home Notice(SHN)や抗原迅速検査(ART)を受けたりする必要なし。
引き続き地域および世界のCOVID-19の状況を監視し、今後数週間のうちにPDTの要件を削除することを検討。

13歳以上の完全未接種の長期滞在者(Long-Term Pass Holders LTPH)およびSTVは、以下の例外を除き、通常シンガポールへの入国不可。
・医学的にワクチンの接種が不可能なLTPH
・適切な措置に従った13歳から17歳のLTPH
・他の有効な入国承認を得たLTPHおよびSTV
彼らはシンガポールへの出発前2日以内にPDTを受け、7日間のSHNを受け、SHN期間終了時にPCRテストを受けること。

シンガポール市民(SC)、永住権保持者(PR)、ワークパス保持者、その他の LTPH が、シンガポールに戻る前の 2 日間に有効な PDT を取得することが困難な場合、シンガポールの認可された認可業者による遠隔監視下 ART サービスを導入。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査、専門家によるART、シンガポールで認可された提供機関による監督下のART(遠隔監督下のARTを含む)を、シンガポールへの出発前2日以内に有効なPDTとして受け入れる予定。
シンガポールで認可された遠隔指導によるARTのPDTサービスの利用を希望する旅行者は、各提供機関のウェブサイトから早めに予約し、遠隔指導によるARTのためにシンガポールで認可されたARTキットを持参。

認可された遠隔監視下ART PDTプロバイダーのリスト、このサービスが適用される旅行者、国/地域について
https://go.gov.sg/remote-art-overseas-sg

ワクチン接種完了者については、マレーシアとの陸路移動の完全な再開予定。
陸路でシンガポールに入国する際の国境措置の詳細については、マレーシアと共同で発表される予定。

  • 制限されたカテゴリーの国境措置

公衆衛生上のリスクが大きい可能性のある新型変種が発生した場合、STVのシンガポール入国承認が必要であるなど、厳しい国境措置を伴う制限カテゴリーに著しく影響を受ける国・地域を再分類する場合あり。

別紙Eを合わせてご参照
https://www.moh.gov.sg/docs/librariesprovider5/pressroom/press-releases/mtf-pr-annex-e.pdf

ワクチン接種済み旅行者に対する医療費請求について

現在、SCS/PRs/LTPHの旅行者は、シンガポールに帰国後14日以内にCOVID-19の症状が現れたり陽性反応が出た場合、病院や専用の治療・回復施設での医療費負担あり。

ワクチン接種済み旅行フレームワークの導入に伴い、旅行者への請求ポリシーを以下のように合理化。

一般旅行カテゴリーの国境措置の対象となるSCs/PRs/LTPH旅行者の料金ポリシーは、市内のCOVID-19患者(すなわち非旅行者)の治療に対する現行の料金ポリシーと同じに。
つまり、ワクチン接種完了の旅行者は、シンガポールに帰国後14日以内にCOVID-19の発症または陽性反応が出た場合でも、病院やCTFでのCOVID-19治療にかかった医療費を支払う必要なし。
今後、市内のルールが変更された場合は、この旅行者グループにも適用。
ワクチン接種完了していない旅行者は、市内COVID-19に感染したワクチン未接種者に対する請求方針と同様に、COVID-19治療費の責任を負い続けることになる。

SCs/PRs/LTPHの旅行者で、制限カテゴリーによる国境措置を受ける者は、ワクチン接種の有無にかかわらず、シンガポールに帰国後7日以内に症状が現れた場合、またはCOVID-19の陽性反応が出た場合、病院および専用の治療・回復施設での医療費を支払う必要あり。

短期滞在パス所有者に対する請求ポリシーに変更はなく、シンガポール滞在中に発生したCOVID-19の医療費については、引き続き本人が責任を負う。

ワクチン接種の進捗状況およびワクチン接種センターの閉鎖に関する最新情報

2022年3月22日現在、92%以上の国民が一次接種を完了し、71%がブースターを接種。
また、5歳から11歳の小児を対象とした予防接種も順調に進んでおり、対象者の76%以上が少なくとも1回目の接種を受け、そのうち約85%が小学生。
そのため、接種回数は過去数週間にわたり着実に減少。

このため、MOHは2022年4月末からワクチン接種センター(VC)の数を徐々に減らし、これらのスペースを他の用途に解放する予定。

80歳以上と医療弱者のための2回目のブースター投与

重症化に対するワクチン保護が時間とともに弱まるという国際的なデータに基づいて、医学的に重症のCOVID-19にかかりやすい人に2回目のブースター投与を推奨。

  • 80歳以上のすべての人
  • 老人ホームなどの高齢者施設に居住している人
  • 重大な医学的危険因子により重症化する危険性が高い医学的弱者

*若年層の健常者はワクチン接種に対する免疫応答が良好で、重症化するリスクが低いため、2回目のブースター接種を推奨していないのが現状。

詳細は、シンガポール厚生省のプレスリリースをご参考にしてください。
EASING OF COMMUNITY SMMS AND BORDER MEASURES
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/easing-of-community-smms-and-border-measures