【三浦コラム】旧正月は、名物料理でシンガポール文化体験

新型コロナパンデミックの厳しい規制も緩和された昨年後半以降、F1の再開、高島屋ショッピングセンターの巨大なクリスマスツリーの復活。そして、多くの人たちが集まったマリーナベイでの大掛かりな年越しイベント(日本からの花火あり)も、無事に終えたシンガポール。

未だに公共交通機関や病院などでマスク着用は義務付けられていますが、その他の場所では、人混みでもマスクを外して歩く人たちが随分と増えてきました。

そういう中で、今年は旧正月を迎えました。
華人にとっては大切な時期。集会の規制も撤廃された今年は、親戚一同が集う久しぶりの光景があちらこちらで見られたことでしょう。

さて、シンガポールではこの時期独特の名物料理があります。

それは、シンガポールの旧正月に欠かせない料理、ユーシェン。

食べるというよりも、食べる前の行為が独特です。
それは、大皿を皆で囲みいっせいに食材をかき混ぜて、それを箸で上に放り上げ、繰り返すことで幸運を祈るというもの。

この時にローヘイと口にしたり、自分の望みを口にします。この時に口にするローヘイという言葉は、広東語で下から上に持ち上げ投げる事を意味し、元々は漁師が魚を引き上げる動作のことを指していた様で、転じて幸運を引き上げる行為となります。

コロナ禍では、こういう場で声を出すことなどが止められていました。今年はその反動で、かなり賑やかなローヘイが各所で見られることと思えます。

各レストランではそのお店独特の趣向を凝らしたユーシェンが用意されています。
皆さんもシンガポールにいらっしゃるこの機会に、ぜひこの名物料理をお試しください。

ちなみに、日本人の味覚では、以前はちょっと微妙に思われた味でしたが、現在はかなり改善されており、意外と美味しく食べられるようにもなってきましたことは、書き加えておきます。