【三浦コラム】シンガポール在住日本人の減少について

日本より一足早く、コロナ禍も過ぎった感のあるシンガポールですが、昨年(2022年10月)時点での在住日本人数では32,743人となり、前年比9.5%もの減少が見られました。

日本人の帰任が多く見られる異動の時期3月になり、在住日本人の減少が話題にもなります。

外務省海外在留邦人数調査統計(PDF)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100436737.pdf

日本人が住む国、第11位を堅持

因みにシンガポールは、「国(地域)別在留邦人数推計上位50位推移」においても、11位と東南アジア諸国においても世界4位のタイ(78,431人 過去は増加一方だったタイも2022年は減少)に次いで、2番目に日本人が多く住む国となります。

過去10年間のシンガポールの日本人数推移

在住日本人の数の推移は、2012年から2016年までの増加傾向から、落ち着いて、減少傾向に向かっているようにも見えます。

2022年 32,743
2021年 36,200
2020年 36,585・・・・・・新型コロナ流行発生
2019年 36,797
2018年 36,624
2017年 36,423
2016年 37,504・・・・・・ピーク
2015年 36,963
2014年 35,982
2013年 31,038
2012年 27,525

在シンガポール日本国大使館ウェブサイト
https://www.sg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/ryoji_todoke.html

シンガポールに住む日本人の特徴

シンガポールに住む日本人の特徴は、滞在ビザ取得の難しさも相まって、中心は駐在員とその家族です。おおかたが日本から派遣されて3年~5年の数年間を、この国で過ごす人々ということになるでしょう。

  • シンガポールの物価上昇・・・・・・特に外国人には大きな比重を占める住宅の賃料(現状延長するのに数十%の値上げ)を主とした生活物価の上昇。
  • 就労ビザ取得の厳格化・・・・・・2023年に新たな就労ビザ取得基準開始予定(現在よりも、さらに取得困難になることが予想)

例外の方々もいらっしゃいますが、ますますこの傾向は強まるかも知れません。

毎回ささやかれる噂

在住日本人の間では、3月になると「今年は帰国者が多い」と常に噂にはなります。

シンガポールに赴任される方も一定数いらっしゃるのも事実なのですが、多くの在住者の皆さんは、体感的に身近な日本人の友人知人が帰国するために、またこれから来られる方々は見知らぬ人たちであるために、実数以上に日本人の減少を感じるようです。

今回の減少はコロナ禍もあったでしょうが、シンガポール在住日本人の総数はこの先も3万人程度で推移するではないかと考えます。

シンガポールは企業活動に自由度の高い国であり、東南アジアの仕事では誰しもが仕事上悩まされる汚職も見られない透明性の高い社会です。
特に東南アジアでは、他に取って変えられないポジションを持っています。

よって、さらに多少減ることはあっても、この先も一定数にて推移するのはないでしょうか?

物価上昇を体感

さて、近年の物価上昇について、私事をひとつ。

先日、車を保持する権利Certificate of Entitlement (COE)の期限を迎えることになりました(シンガポールでは車購入と共にこの権利を入手しないと、車の運転はできません=シンガポールの車所有にお金がかかる理由のひとつ)。
いい機会ですので、このたび車を手放すことにしました。

そこで、最近タクシーを使う機会が増えたのですが、ひと昔前と比べれば「タクシーも高くなった」と実感しています。
そのことに、改めて気づかされた次第です。

ただ、シンガポールは安全ですし、地下鉄やバス網も充実していますので、多くの日本人が公共交通機関を使用しています。
これからシンガポール生活を始める方々は、その点ご安心ください。

コロナ禍も去り、観光地では外国人観光客を見ない日はありません。