【三浦コラム】シンガポールで個人が起業する為のコストについて

 シンガポールで起業したいのですが、資本金はいくらくらいにすれば良いですか?というご相談を時々いただく事があります。
 まず必要なのは資本金、これは会社を興し運営する為の資金に他なりません。
 つまり、会社運営のコストと資本金は深く関係があり、特に借入金を考えられない個人の起業においては、このお金は立ち上げと直結したものだと思えます(他の人が資本参加するのは借入金とは違います)。

 人の体が健康に動く為には滞りない血液の循環が必要な様に、会社が健全に運営されるには求められた時・場所に必要な額のお金が必要です。
事業を始める時点では、それが資本金です。
よく1ドルで会社ができると言われる事がありますが、これは意味のない言われ方だと思います。会社設立の為に誰かに何かを依頼すれば、払うべき料金がかかりますし、まずはオペレーション上あり得ません。
資本金は会社の運営資金と考えましょう。

miuradec11 では、資本金はどれくらいにすればいいのか?
 逆にお考えの会社の運営には、運転資金はいくら必要なのでしょうか?

 目安として申し上げているのは、少なくとも立ち上げ費用を払った上で、6カ月は無収入で回転できる資金を資本金として、考えてみるという事です(7ヶ月目からは利益があがる事として)。

 立ち上げ費用とは、何が必要なのでしょうか?
・オフィスを借りる為の費用(デポジット2ヶ月)
・同じくデポジットを含めた自分の住居費用を考えた上での自分の給与
・オフィス機器を含んだ備品の購入やリース
・必要であれば、ローカルスタッフを雇用する費用
・場合によっては、オフィスのリノベーション費用
・在庫を持つ商売の場合には、その費用に、それを置く倉庫費用

 ちなみに私は、上記に加えてビザ取得の事も考えて、資本金は最低限10万ドル以上をお考え下さいと、皆様にお伝えしています。
 また、できればその資本金もご自身の自己資金でとアドバイスさせていただいています。
 お金を出して、口を出さないという人は極めてまれです。実際に苦労して立上げた会社がうまく回り始めたのちに、会社を追われた人もいました。また、複数の出資者がおり、会社の運営方針などでのもめ事も幾度となく見てきました。
 出資者構成、この点は熟慮が必要です。

 また、会社としてこの国で何をするのか、何ができるのかは十分な調査が必要ではないでしょうか?
 調査に時間と費用もかけるべきではないかと思います。つまり、ご計画のその商売がこの国で可能性があるのか、ではその為に必要なのは何か?など、綿密なビジネスの計画を立てるべきです。
 そこから自ずと起業する為のコストがあぶり出されてきます。

 ムードに流されただけの起業には賛成できません。
 じっくりとお考えください。