シンガポールの多発する鉄道運行の不具合について

シンガポールではMRT(Mass Rapid Transit)と呼ばれる都市鉄道網の充実に比例して、電車を利用する人が一昔前と比べると増加したのは誰の目にも明らかです。

本当に便利になったものだと実感します。

MRTは、SMRT TRAINS LTD (SMRT)という会社がNorth-South Line(赤色)、East-West Line (Changi branch line)、Circle Line(緑色)を、SBS TRANSITという会社がNorth East Line(紫色)とDowntown Line(青色)を運行しています。
これからも現在建築中のThomson Lineなど、ますますその利便さがあがるのは間違いありません。

ご参照 シンガポールの鉄道MAP Land Transport Authorityのウェブサイト
https://www.lta.gov.sg/content/ltaweb/en/public-transport/mrt-and-lrt-trains/train-system-map.html

そういう中、ここ数年シンガポールで問題となっているのは、鉄道運行の不具合です。

特に11月15日に起きたMRT運行以来2回目になる事故は、負傷者がスタッフを入れて30名を超える事故でした。

ご参照 Land Transport Authorityのウェブサイト
https://www.lta.gov.sg/apps/news/page.aspx?c=2&id=9bff1b53-0fef-4063-984a-a21205dc045b

また、遡ること約1ヶ月の10月7日から8日にかけてのBishan駅/Braddll駅間の洪水による不通は、約23万人の足に影響を及ぼしたと調査報告に記されています。

ご参照 調査報告 Land Transport Authorityのウェブサイト
https://www.lta.gov.sg/apps/news/page.aspx?c=2&id=2181b69a-db90-419a-9693-f5872ff00ff6

ともにSMRT社の運行になるEast-West LineとNorth-South Lineで衝突事故と浸水による運航停止ですが、時にSBS Transit社のCircle Lineでも電車の運行が乱れるなど、近年乗客のストレスがつのるケースが増えてきています。

日々のメインテナンスが充分ではないのではないか?使用しているシステムがうまく作動していないのではないか?など言われる中、East-West Lineは12月に大規模な運休・運行時間の短縮を実施しています。

ご参照 SMRTのウェブサイト PDF
https://www.smrt.com.sg/Portals/0/PDFs/Annex%20A%20Shuttle%20Bus%20Service%20Arrangements%20Final.pdf?ver=2017-12-06-142812-553

周囲のシンガポール人と話すと、鉄道会社自体への不満よりも政府責任者・事業経営責任者への不満を耳にする事が多い様に思えます。

野党ブームとも言える前々回の選挙の争点のひとつがMRTの問題であった事を考えますと、この問題の解決次第では次回の選挙に影を落とす可能性も否定できません。

今後の推移を見届けたいと思います。

前々回の選挙について(2011年のコラム)
https://www.miura.sg/archives/356

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MRTは地上運行地下運行がありますが、新路線はすべて地下鉄となっています。